2021-01-01から1年間の記事一覧

年の瀬ならではの光景

夏休みの宿題とか課題とか、何でもそう、切羽詰ってやっと着手するタチだ。 恥ずかしながら年賀状だっていつもぎりぎり。十二月の二十四、五日にレイアウトを作り、早々に投函する人を横目に二十六日に購入、持ち帰って印刷、二十七日に住所を書けたものから…

コロナじゃないよ

夏から秋にかけての新型コロナ第五波では、夕方のニュースで報じられる感染者数に怯える毎日だった。 緊急事態宣言下で、多くの人が外出を控え、様々な業種が時短営業を余儀なくされた。開けていても売り上げが見込めないと、休業に踏み切ったお店も少なくな…

口の堅い夫、口の軽い妻

先月、夫の職場の後輩の披露宴司会を私がさせて頂いた。依頼を受けたのは春、その際、夫は後輩さんに条件を出した。 謝礼は一切受け取らない、こちらからも祝いは包まない、司会者手配代を浮かせて新生活や新婚旅行に使うこと。 しかし後輩さんはやはり気を…

盗み見ていた転校生

電気シェーバーの刃が傷んでいるらしく、剃った後ひりひりする、と夫が言うので、昨日私が電気屋さんで買ってきて交換した。 今朝、洗面台で「全然違うわ、滑らか」と夫。 私は、対応してくれた店員さんが親切だったことを話して。 「その人ね、ほら、中学の…

ブランクの奥に

一ヶ月以上もブログを書けずにいたんだ・・・と自分の小心をしみじみ思う。 春先に夫の後輩に依頼され、この十一月初めの披露宴司会を受けたが、その瞬間からずっと頭の片隅が緊張していた。途中、影アナウンスの仕事はしたが、披露宴司会は五年ぶりだった。…

ちんちくりんは成長の証し

可笑しがるなんて、私はヒドい人間だ、と自覚しつつも笑ってしまう。 駅前で見かける男の子のことなのだ。 私は毎朝夫と駅までスクーターで行き、夫が改札へ向かう後姿を見送る。その間、家族を送ってきた車が何台か停まる。 よく見かける白いワゴン車からは…

夫に隠れて

視界の端で蜘蛛が動いた。壁をつたう一センチくらいの。夫を見る。夫は背中を見せて、パソコンのモニターへ向いている。 私は物心つくと既に蜘蛛が気持ち悪くて嫌だった。すると父が言った。 「蜘蛛は、害虫を、お前の嫌いなゴキブリの赤ちゃんも食べてくれ…

夫が名を呼ぶ声にも似て

朝夕涼しい。例年ならまだ残暑が残る頃だが、今年はこのまま秋になるのか。 夫の一ヶ月強の出張という、かつてない夏を経て、毎日繰り返す家事にさえ安らぎを感じられる。 ゴミに出そうと、段ボール箱に伸ばした手が止まる。貼られたままの送り状。この箱は…

流れない時間の中を

34日間の出張から夫が帰ってきた。お盆休みを共にし、一昨日から通常営業となった我が家。5時目覚ましで夫のお弁当を詰め、朝茶とシェーバーを枕元へ届け、朝食のバナナヨーグルトドリンクを作り、着替えの肌着を並べる、そんな慌しさが嬉しい。 夫不在の…

わたくしごときが陸上競技に物申す

オリンピック開催の是非はともかく、選手たちの健闘は感動の渦。 そんな中、くだらないコトだとは思うけどどうしても気になったコト。 昨日の3000メートル障害を見て。 ハードル飛んだ着地点の、水たまり、要るか?? ・・・文字通り、水を差してるとしか・…

ビューティフルネーム

一年延期になったものがきっと世界中にあるのだろう。 オリ開会の前日、あるバレエスクールの発表会があった。発表会といっても、トップの生徒は世界へ羽ばたくレベルの高いスクールで、よちよちのベビークラスもあるが、他のバレエ団から客演を呼んで本格的…

実践【糖質制限】覚え書

※ 前回記事のダイエット…今日で4週間、3.9キロ減。さすがにこの10日ほどは停滞期というか、下げ止まり感が。あと1キロ、もう少し続けるつもりです。 【糖質制限】は、食べて痩せる・健康になるダイエットと言われる。○イザップは徹底した糖質制限と筋トレで…

改造計画

前々回書いた、私的一大プロジェクト・・・大仰ですが早い話がダイエット。 いえ焦ってたんです、私の場合コロナのせいじゃなく、一年半かけて6キロ太って。 愛兎の介護が終わった時、骨と皮みたいに痩せていた。病的だが気分よかった。思春期からずっとぽ…

ちいさな詩人

アーケードの下へ入ったので日傘を畳んだ。正午を少し過ぎた商店街は緩やかだ。 並ぶ個人商店、日用品を扱う店先で、手書きの札に目が留まる。 『ぬれティッシュ』 一瞬何か分からなかった。そっか、ウェットティッシュね。ここらは店主も客も年齢高めだから…

あなたがいなくてわたしは

朝、セミの声にハッとした。今年初? いや、もう数日前から鳴いていたのかもしれない。今朝耳に入ったのは、ようやく落ち着いてきたから? 夫が留守になって6日目。関西から関東へ、予定ではひと月強帰らない。結婚して24年半、出張など滅多になく、これ…

ちっぽけな、ミステリ

いつも少し悩ましい、文芸書のたぐいに付いているごく細いリボンのしおり。 図書館で借りてきた小説に挟まれているしおり。 読み進めるうち、開いたページで出くわす。前に借りた誰かがそこに挟んだ。 そこに意図は。 たまたま任意のページに挟まれたものか…

夫婦の欠けら

グラスが割れて、咄嗟に思ったのは、私じゃなくてよかった、だった。 朝の台所で、夫がグラスをシンクの中に置いた。手を放した途端、傾いて倒れた。鈍い音がした。すぐ隣でお弁当を包んでいた私と、立ち去りかけていた夫は顔を見合わせ、グラスを起こす。シ…

理由は分からない、けれど、すきなんだ

人見知り引っ込み思案だった私が、32歳を目前のある日、夫に打ち明けた。 「朗読を勉強したいの、学校へ行ってもいい?」 夫は面食らっていた。いいけど、いきなり、どうして? 私自身よく分からず、学生時代放送部だったとかそういう経験は一切なく、ただ…

初めてのデート、海老のしっぽ

今年四月に他界された田村正和さんの追悼番組『古畑任三郎』シリーズをあらためて楽しんでいる。 田村正和さんはプライベートを見せなかったという。特に食事する姿は家族にさえ見せず、ご自宅では離れで過ごされたとか。 ものを食べる姿はエロティックで恥…

声で、エッセイ…?

私の愛読ブロガーのお一人、Emilyさんが声の配信をされてて、すっごく素敵です。 感激して、私も真似したくなり、挑戦しましたっ 2分半ほどですが、よろしければご用の片手間に聴いてやってください(笑 働かない、という使命だってある? - よろしゅうおあ…

それこそが宝物

アラフィフになって物欲がなくなってしまった。いいなと思う洋服があっても、持ち物が増えるのが嫌で買うのをやめる。今あるもので十分じゃないか、と言えば聞こえはいいが、単にモノグサというか、おしゃれゴコロの低下で、これって老化かしら、オンナを捨…

こんなにも想えるひとと出会えたことを

夫婦げんかは夫婦の数だけ形があるのだろうな。 レアだけど幾組かけんかをしたことがないというご夫婦がいた。正直ねたましく、うらやましい。 わたし達夫婦は結婚するまでけんかをしたことがなかった。ずっとせずに済むかと期待したが、一緒に暮らすように…

だって美味しいんだもの

私個人は大雑把でいいかげんな人間だ。けれど。 「日本人ってやっぱり几帳面で細やかなんだと思う」 しみじみ思ったのだ。 オフィス街にあるカレー店でお昼を食べて出てきたところだった。数年前に夫が入り、美味しかったからと、以来休日に時々私も連れて行…

さくらマジック

時々しか使わない川沿いの道を夫とスクーターに乗って通りかかると、夫が。 「ここの並木、桜だったんだね」 街路樹のソメイヨシノが道の両側で三部咲きになっていて、ふんわりとした薄桃色をまとっていた。 「ほんとだ。普段は何の木だか気に留めないもんね…

言いだせずにいましたが

桜の開花は、我が国の年に一度の大イベントだと思う。 年明け早々から天気予報で開花予想が伝えられ、杉花粉飛散や寒の戻りに強張る人々を励ます。 今年は3月18、19日辺り、例年より早いと言われ、誰もが待ち焦がれている。 だからこそ。 ぎょっとなっ…

姑の靴下とぱんつを

姑が二十年前に、舅が三年前に亡くなって、その時のままに夫の実家は留守宅になっている。どうしたものかと思案しながら手付かずだ。同年代、同様の事情を抱えた皆様はどうしておられるのか。 足が遠のいて気付けば三ヶ月!さすがに気になって、今日は様子を…

今ちょっとメンタルがネガティブ

書きかけたものの、うまく説明できるかしら。 こないだ、同級生の集まりがあったけど行かなかった。 なんで行かないのと夫に訊かれ、気が重くてと答えた。それにしてもなんで気が重いのか、仲のいい面々の集まりだったのに。理由を考えてみた。 五十を過ぎて…

世界が変わるのに

知っているのと知らないのとでは全く違うんだなぁ。 ゆうべTVでドイツの古い町が紹介されていた。普段旅番組は見ないのに少々前のめりで見入った。そこは私が24年前に新婚旅行で、唯一海外旅行で訪れた町だった。現地ガイドさんに連れられて歩いたきりだか…

繰り返し。それは幸せなことだろう

本年もよろしくお願いいたします。 お正月三が日が過ぎようとしている。子もなく、既に親もなく、五十を越えた夫婦二人で、しかし寂しいということはなく、台所に立ち、蒲鉾を切ったり、お煮しめを皿に盛ったりしていると、しみじみと思われてくる、ああ、い…