2018-04-01から1ヶ月間の記事一覧

いつも心にヒーロー

何年も前だ、朝の洗面所で夫がつぶやいた。「くそ、人をカプセル怪獣みたいに使いやがって」「かぷせるかいじゅう…?」「知らんのか? カプセル怪獣というのはやなぁ、ウルトラセブンがピンチの時にケースからカプセルを取り出して…」 ここで夫はシガレットケ…

ヨキカタワレデアリタイ

週末は快晴だった。いつものようにスクーターに二人乗りで出掛け、回転寿司でお昼を食べて、帰りは上り坂、連なる六甲の山並みを夫が仰ぐ。「ええ天気やな」「うん」「新緑がきれいやなぁ」「ほんと」「ほんまにええ天気やなぁ」「うん」 夫の感動に対し、私…

親も昔は子ども~1粒で2度美味しい

授業参観、親に来て貰ったのは1回きりだったのか。小学2年の国語の授業。覚えているのはこの時だけだ。 母が亡くなったのが私の小学校入学の3か月前。狭い町内で若くして病死した母の噂を知る人は多く、父や私に憐みとちょっぴり好奇の眼差しを浮かべた。父…

立ち止まったままだ、良くも悪くも

メイクをするのは昨年6月の甥の結婚式以来、10カ月ぶり! 鏡を覗き込みながら手順を思い起こす。仕事を辞めて一番嬉しかったのは化粧しなくていいことかもしれない。それほど嫌いなのだ。マスカラがカピカピに乾いてしまっていた。塗れない。それすら、後で…

お使いが遅かったワケ

小学生時代のお使いの思い出話になった、夫と。 私は父に命じられ、豆腐を買いに行った。その帰りにレジ袋をすとんと落としてしまった。豆腐は容器の中で崩れていた。それを父は「こんなもの使えるか」と怒りをあらわにした。「でも子どものそういう失敗って…

優しい嘘のチカラで

決めつけないで、と。子育て経験のない私が、だからこその子ども目線で。 大好きな美容師のKさんが産休から復帰され、8ヵ月ぶりに鏡を介しての会話。Kさんは今回2人目のお子さんを出産されたのだが。「1回経験した事だから大丈夫と思っていたけど、キツイで…

touch me more

アナウンススクールでは自己紹介を求められることが度々あった。自分の売りだけを面白く端的に。都合の悪い事はあえて言う必要はない、いや言ってはならないのだ。 これは極端な例として、人物を正確に伝えるのは難しい。 今週のお題「自己紹介」 前の記事で…

役に立たないからこそ愛おしいということに…

特技を訊かれた。プロフィールには”趣味・特技”欄が大抵ある。 ①アイスクリームをどんぶり1杯食べられます! 大好きで、いくら食べてもお腹を壊さないし、こめかみがき~んとなることもない(どこか壊れてる?)。真冬の屋外でソフトクリームを立て続けに3本食…

等身大の父が

今日は義妹と出掛けた。2人きりで会うのは初めて。妹といっても私より年上のしっかり者だ。父が亡くなって半年が過ぎた今頃になって保険証の返納やらに手を付けたら、喪主を務めた弟の通帳等が要ると分かり、義妹が同行してくれることになった。朝から車で連…

真夜中のミステリ、凸凹夫婦

真夜中に手の甲をさすられていた。左手の甲を隣で寝ている夫がさすっている。 なんでだろう。腫れているからか。関節炎を持つ私の手首を夫はこれまでにもさすってくれたことがあるが、今は炎症がそれほど酷くないしなぁ。 ああ。かさつきを確かめているんだ…

はぐれた蟻、取り返しのつかない事…

数年前からネットで知り合った友人と毎年お花見をする。母親程の年上の彼女は博識で、今年は散り始めたソメイヨシノではなく、只今満開のツツジを見せてくれた。 コバノミツバツツジという小ぶりの可愛らしい花は、兵庫の天然記念物で、古社・廣田神社の広大…

これもものづくりの素晴らしさかと

思いがけず、20年以上前に自分の親が手掛けた仕事に辿り着けるなんて素敵だよね。 掘込みガレージのシャッターが壊れた。調子悪かったのが開かなくなった。この家に暮らして8年になる。前の住人から頂いた設備類取説類ファイルにシャッターの領収証が残って…