2018-05-01から1ヶ月間の記事一覧

こなれていく時間

調味料でこうも違いが出るものかと驚いている。 今月初めに亡くなった義父の使いかけのあれこれを持ち帰った。普段私が買わない味のドレッシングに新鮮な驚きを感じたりして楽しんでいたのだが。 切干大根を炊くのに、出汁の素とお醤油を拝借し、味見をして…

自分のことを人前でなんて言う?

オチのない話なんですが、こないだから義父の事を書いてて、ふと。 義父は「ワシ」だけど、私の父は「ボク」だったな、と。考えてみれば亡くなるまで、85歳になっても「ボク」だった事を思うとなんだか可笑しい。 夫が言う。「それはお父さんが京都の人だか…

言い方なんだ、とどのつまりは

正論でも愛が無ければ受け入れられないよ。 独り暮らしだった義父が亡くなった翌日、新聞を止めなきゃと配達所に電話して事情を話したところ…。「4年契約の、まだ2年なんで、継続して取って貰えませんか?」「いえ、もう読む人間がいなくなったので」 途端に…

永久に消滅したゴール

永遠に上がりそこなったすごろく、完結しない100物語みたいになってしまった。 義父の突然死以上に呆気にとられたのはその事だ。 8年前に家を買う時、経済的に余裕のあった義父から1500万円を借り、毎月15万円ずつ返していた。有り難い無利子のローンである…

オマエにはまだ早い

この世で縁のある人とは何らかの形で魂を磨き合う関係なのだという。 2週間前に亡くなった義父に、私は批判的だった。性格が合わない。話が噛み合わかった。それでも、緩やかに老いていく義父と、そろそろ喧嘩しながらでも寄り添っていこうと考えていた。そ…

対岸でも背中合せでもない、手を繋いでいるんだ

常々気にしていた。私は亡くなった人の話ばかり書いている、と。 子どもがいないせいもあるかな、思考は未来よりも過去へ向く。 幼い頃に亡くなった母のことをずっと考えながら育ったから。 結婚時には夫のと併せ8人の祖父母は皆他界してしまっていた。 結…

手塩にかけて愛すればこそ

ジンクスって本来は不吉なものだけに使う言葉だって。ゲン担ぎと一緒にしてた。 コープのチラシに漬け梅が載り始める時期になった。「梅干し作りを失敗すると縁起が悪い、って昔から言うんや。やめとけ」 結婚して間もない頃に挑戦しようとした私に、父が待…

思い出はキツネ色

毎年5月初めに地域の大々的なお祭りがある。道路沿いは軒の高さにしめ縄が張り巡らされ、幾つかの町内からそれぞれお神輿を担いで神社に終結する。その賑わいを、ここに越してきて8年弱の我が家は遠巻きに見ている感じだ。 ホコ天と化した道路に並ぶ屋台を眺…

けんか。のち晴れ

ケンカになった。 昨日の昼前、夫の「わ、雨降ってきた」に、私は驚いた。「昼頃に雨降るって朝から何回も言ってたじゃないっ」「何回も言ったというけど、何回言った?」「朝から3回か4回くらい。お天気次第で出掛ける予定を考えなきゃと思って」「言ったつ…