2017-11-01から1ヶ月間の記事一覧

父語録。殴る、は駄目だけど

折に触れ、父の言葉が読み出される。それは亡くなったからではなく、もうずっと私の日常だ。 台所で小麦粉を水で溶いていると「ぬるま湯を使うとダマになりにくいで」とか、夏にご飯を炊く時は「お酢をちょっと入れると腐り難いんや」とか。「お米には七人の…

苦くて、苦くて、

先週、20年ぶりに伯母を訪ねて乗った私鉄は、これも20年前、結婚するまで勤めていた会社の近くを通る。車窓の光景の一々が脳の奥のほうにじんじん沁みた。感慨の内訳は大きく2つ。1つは恋人と会えなかった辛さ、そしてもう一つが勤務先への心苦しさ。社長に…

あえて明るい服を着て

昨日書いた「黒」のことで、あるバレエ教室のブログにぎくりとなった。 生徒のレオタードについて『黒は締まって綺麗にみえちゃうとこあるので、できるだけ普段のお稽古は薄い色きて身体のラインをしっかり見せて下さいね!』 …どうりで近頃、黒いセーターに…

黒は本当はこの世に存在しない

おととい。ブラックフライデーとTVで何度も告げられ、ん?ブラックマンデーじゃなかったっけ??買い物に行くと店頭のポップにもこのロゴが踊っていて、知らないのは私だけかと慌てて調べた。”米国で毎年11月第4木曜日に催される感謝祭Thanksgiving Dayの…

肉,玉葱,人参,じゃが芋とくれば

ホームセンターのレジに並んだ。40歳前後の女性店員さんが私の差し出した籠の商品のバーコードをピッと読み取りながら「小鳥を飼ってるんですか?」と言った。 ああ籠の中身で訊かれたんだ。ペットフードが数点だった。「はい、インコを」「うちももうすぐ鳥…

あなたを笑ませたくて

ポインセチアやクリスマスソングが街を彩り始めた。さて。どうしよう。 私たちは昭和な夫婦だからイベントに特に何もしない。ちょっとしたものを贈り合うくらい。なのだが。この”ちょっとしたもの”に年に2回、夫の誕生日とクリスマスとに私は打ちのめされる。…

年は”取る”より”重ねる”で

年々寒がりになると感じる。去年の冬を過ごした部屋着が今年は既に11月にしてうすら寒い。 昔は朝出掛ける前に済ませたら夜帰るまで行かなかったのになぁ、と夫と話す。トイレのことである。私は特にトイレが遠く、高校時代は3年間に学校のトイレを使ったの…

地球は青かった

きび団子を差し出されても岡山県人は受け取りませんよ、家来になれってことですから…と某芸人さんがTVで話すのを聞いて、まさかと笑ったが、次の瞬間いや待てよとなった。夫に話すと「まさか」と笑った。「ネタに決まってるやん」「私だってそう思ったけど、…

忘れないで待ってるよ

匂い、嗅覚の記憶が五感の中で最も強いと聞いた事があるが、触れあいや温もりの記憶も負けていないんじゃないかな。触覚ということではなく、通わせた心の記憶。 生後1か月半ほどの子猫と過ごしたのはちょうど1年前だったなと、近頃懐かしんでいる。わずか2…

キャッチボール

昨日の件。帰宅した夫に開口一番謝ると「なんだそんなこと。それよりもさ…」と会社での出来事を語りだした。専業主婦たる自分の世界の狭さを実感。いえそれが有り難い。一日私を押し潰していた事なんか塵のように吹っ飛ぶ。夕食後に一緒に食べた苺大福の美味…

さざ波ではあるけれど

今日はちょっと、いやけっこう落ち込んで過ごした。 前日に私が時計をいじったせいで、夫がいつもの出勤電車に乗れなかった。ずっと6分進んでいた時計が、4分進みになっていたのに気が付かず。あああ、怒っているかな。いつものように帰るコール(ライン)をく…

あした天気になあれ

今日は雨降り。桜の赤い落ち葉が濡れそぼってアスファルトに貼りついている。昨日までは踏むとぱりりとポテトチップスを噛んだような音が楽しかったのに。 夏が済んだ途端、来年の手帳が店頭に並び、年賀状やお節の予約承りの文字がそこここに。今年もあと47…

刻まれた遺産

猫だけでなく我が家にはウサギとインコとカメがいる。ウサギやインコに接していて時々苦笑いしてしまう。例えば、うさぎを部屋へ放して遊ばせる時に「うりゃうりゃうりゃ…」などと言いながら追いかけっこしたり、インコを手の中に包んで撫でている途中にイン…

父に最後のイタズラ

友人から早々に喪中はがきが届いた。私もいよいよ急がなくてはと焦った。毎年の年賀状は私が我が家の動物たちをイラストに描いてスキャンで取り込んで作るが、ああ今年は作らなくていいんだ…そう思うと、寂しいようなほっとするような。さてと、集めておいた…

待っててくれる

明るくなるのがめっきり遅くなった上に、今朝は雨降りで尚更暗かった。薄闇の中を黒い傘、黒い上着の夫が歩いていく。振り返って手を振って角を曲がっていった。私は振り返した手を下ろしながら、ふいに考えてしまった、なぜ姿が見えなくなるまで見届けるの…

月、満ちて

午前6時過ぎ、出勤支度を整えた夫が「今朝は寒いなあ」と身をすくめた。まだ暗さの残る空には雲一つない。「放射冷却が起こったんだね、よく晴れてる」 地表の熱が上空へどんどんと拡散していったのだ。宇宙なのだなぁと、つくづく見上げる。青からピンクへ…

あの頃眠れなかった父は

明日は父の四十九日法要。過ぎた40余日が長かったのか短かったのか全く分からない。私は泣かないまま、毎日に何ら変化も見えず、元々ナマケモノではあるが、益々ぼんやりしている時間が多くなったかな。これって心の深い所では悲しくてウツ傾向なんじゃ…と思…

物だって元気に長生き

形あるものはいつか壊れる、という言葉は、儚さを説いたものだと思うが。 ものって長持ちするのだなぁとつくづく感じる。 スプーンとフォークが1組、ティスプーン2本、シュガースプーン1本、ガラス角皿3枚、楕円皿1枚、耐熱ガラスのティカップ1個。これらは…