2017-09-01から1ヶ月間の記事一覧

弟を通して見える父

亡くなった朝からちょうど一週間。これまでは、まだ4日、まだ5日、まだ…と感じていたが、7日経った今日は、もう一週間になるのかという感じがする。書き始めたはいいが、どこから取りついたらいいか途方に暮れる。それでもPCに向かい、さて。 父が亡くなった…

変わらない

父が亡くなってまだ5日だというのに私の日常は以前と変わりなく流れている。これは表面的なもので、深層で起こった変化に例えばひと月くらい経って気付いたりするのだろうか。 あの朝、施設へ駆けつけ、職員さんに連れられて、父の部屋の前まで来た。コンパ…

4日前に父が亡くなった。

4日前に父が亡くなった。 ブログなんか書いている場合かと思う自分を抱えながら、何となくぼんやりとこれまで通りの習慣で葬儀の間留守にしたこのページを開いている。 今この時、こんな時に、何が書けるのだろうと思う自分がいる。自分の中から何が出てくる…

ネット越しの弟

弟の秘密をしってしまった。いえ本当は秘密でも何でもなかったんだろうけれど、情報の入手経路に問題があった。 きっかけは、数年前のTV番組でタレントさんが言った、”世の中には2種類の人間しかいない、自分の名前を検索するヤツとしないヤツ。”この言葉…

猫の額の小宇宙

団地で育ち、社宅に移り住んだから、一軒家で暮らすのは今の家が初めてだ。どうしていいやら分からないまま数年たち、荒らしてしまったお庭にようやく手を入れ始めた。 まずは伸び放題の枝を切った。小さな中古住宅のごく狭い庭だが、前に住んでいたご主人は…

ちょっと、じゃないちょっと

ちょっと、気になっていた。 ”ちょっと、…”というタイトルで先週さんざん記事を書いていて。 ちょっと、と普段から使うけれど、そのまんまじゃなく、真逆の意味でも使うんだなあと。 ”少し”という場合、”かなり”という場合、あと”呼びかけ”、大まかにこの3つ…

今年も忘れずに咲く

埃っぽい県道沿いでバスを降りる。私を乗せて来てくれたバスと、反対車線のダンプカーが走り去ると、向こうに広がる景色が変わっていて、少しの間だけ立ち尽くしてしまった。 あんなに青く天を向いていた稲穂たちが一面の黄金色に変わってしまって、たわわな…

父が私を分からなくなるなんて

父が私のことを分からなくなる日がくるんだろうな、と、もう何年も前から緩く身構えている。しかしいざとなっても受け入れられることではないだろう。午後に顔を見にいく予定だが、今日それが現実になるかもしれない。 父は15年くらい前から認知症になって、…

叱られて

昨日、夫に叱られた。私がなかなか何とかしないクッションのカバー問題で。「これはひどいわ…」と、居間でTVを見ていた夫が、フローリングのざらつきを指摘した。よく使っている円座がちょっと前からほころんで、中のクッション材が少しずつそぼろ状になっ…

無精卵を抱く

4日前、インコが卵を産んでいた。メスだったのね。 この春、譲り受けたコで性別は分からなかった。紙を好んで細長く噛み切っては尾羽の辺りに差し挟もうとする、この自らを飾り立てる行為から、オスではないかと思っていたのだが。 ケージの床にころんと転が…

もしや”褒めて伸ばそう”と?

なんでかな、夫はやたらと……こんな良い事にこんな言葉を使うとバチが当たりそうだが……やたらと「ありがとう」を言ってくれる。 朝。ご飯が出来たよと起こしに行くと「ありがとう」、食卓に着いて「ありがとう」、食べ終わって「ありがと、ごちそうさま」、そ…

ちょっと、凄かった 結び

1年半ぶり。駅から7,8分の何でもない道が遠い。25分かかって辿り着く。繁華街に名医が開くクリニックはコンパクトで、待合ベンチのすぐ前に診察室と処置室。診察室の扉が開き、看護師さんに呼ばれ、返事をしたものの立ち上がるのに数秒かかり、そこから扉ま…

ちょっと、凄かった 続き×4

昨年の3、4月頃には歩き方を誤魔化せなくて、仕事先で「酷いねん挫で」と言い訳した。体調の事を、同僚には話せても、取引先には言えない職種であった。電車に乗っての行き帰りがキツいだろう、ひとりでは行かせられないと、夫が可能な限り送り迎えをしてく…

ちょっと、凄かった 続き×3

一昨年の元旦から始めた医薬断ち。半年間はなんともなかった。が、夏頃から指が腫れて痛み出した。部位は小さいが痛みで夜中に目が覚める。グーに握っている指を開こうとして痛いのと動かないのとで一苦労で、掛け布団を掴めなくなった。 それから手首が痛み…

ちょっと、凄かった 続きの続き

今朝6時半、出勤支度を調えて玄関を出た夫が「寒い」と言った。9月に入って涼風が立つようになっていたけれど、もう秋の入り口をくぐったのかな。 あの頃、夫は私が寝たきりになることを覚悟していたという。そして私は、もっと早くに夫に病院に引きずって行…

ちょっと、凄かった の続き

どれくらい凄い状態だったかを人に話すのに、一番驚かれるのがこれだ。布団に寝ている時、顔が痒くなっても我慢した。布団から手を出すのが激痛だったし、出したところで手首は動かないし、指先に力が入らない。痒くても死なない、そう思ってやり過ごした。 …

ちょっと、凄かった

水着姿を確かめる。さいわい洗面台の鏡では腰から下は見えない。 服の下に水着を着ていくなんて、小学生みたい。 同じことを、そういえば一年前にも思ったっけ。ちょうど去年の今頃だった筈。それまでの一年と、それからの一年は、人生のエアーポケットみた…