2018-03-01から1ヶ月間の記事一覧

しづ心なく…

記憶に残る最初の桜は小学校の入学式で見上げた桜だ。 校門の傍に何かの石碑と枝を広げた桜の木があって、親たちは代わる代わる子どもをそこに立たせて写真を撮った。「はいこっち向いて…チーズッ、あ目瞑った」とか言われても、眩しくて。 春に三日の晴れな…

私達は心に桜を持っている

今週のお題「お花見」 おとといブランコを漕ぎながら見た桜があんまり愉快だったから、昨日も陽気の中へ出掛けていった。とりあえず図書館を目指すことにして、ひと駅分歩く。 橋へ差し掛かると、川沿いに続く桜の下ではレジャーシートの上でお弁当を開くグ…

猫は自分を憐れんだりしない

勝手に憐れんでいるだけだ。当の本人(猫)は飄々としたものだ、きっと。 昨夜10時過ぎ、庭に面したサッシへ、うちの元野良猫アポロが走り寄り、うなおお~~う、と吼えた。アポロは物凄く警戒心が強くて、庭に来訪者…猫、狸、アライグマ等の気配を察すると窓…

春の空に吸われし四十九の心

春はいいね。夏秋冬もそれぞれ好いけど、春は特別だと思う。 私は出不精で外出しても買い物なり用が済めばさっさと帰るのだけれど、今日はぶらぶら歩きたかった。駅前の郵便局で荷物を送った後、商店街とは反対のほう、静かな住宅街へゆっくりと入っていった…

私のお父さん (2

大学生の時かな、私は父に言った。「うちは大学の教授位のインテリの家だと思っていたけど」「ああ、そうだよ」「でも、お父さんもお母さんも高卒だし、お父さんは普通のサラリーマンで仕事もそんな学校の成績が要るようなものじゃないし、職場を転々として…

私のお父さん (1

白黒はっきりつけたいタチだった。真実にしか価値はないと考えるタイプだった。けれど、美しいグレーがあることや、何が本当かなんてどうでもいい場合があることを、肯定し始めた。 これが年の功なら老いもいいものだ。心がくったりと柔らかく楽ちんだもの。…

感動する準備は出来ている

美しいものは、客観的な存在ではなく、主観的に捉えるものだと書いてあった。そこに在るのじゃなく、人の心が見出して、初めて”そこに在る”と。 瞼を閉じたままでは無いも同じ。蝶を見ても、ある人には毛虫が飛んでいるにすぎない。これ、私のことだ。蝶は苦…

私がいなくなっても

外から地球を見た宇宙飛行士さん達は人生観が一変すると聞いた事がある。そこまでは及ばないが、5年前に人生初の入院手術をしてから、自分の何かが変わり始めたと感じている。 見るものが新鮮で、気持ちが外へ誘い出されていくような伸び伸びとした感覚。元…

小学2年女子的、アポロ(雌、推定7歳

アポロのしっとりとした情緒には日々感心してしまう。 例えば、私が台所の流しへ立つと背後に気配がする。台所入ってすぐのところにアポロは座っている。あるいは食器棚の角に体を擦りながらくねくねしている。気が付いて声をかけてくれるのを待っている。私…

春ってそういうことか

これだけ春めいてくればと、頭の中で勝手に桜の蕾を膨らませている。 うちの近所に、ただの坂道なんだけど、桜の名所がある。車が交互通行できないほど狭い、長くて急な坂の、両側から樹齢60余年の桜並木が枝を差し掛け、トンネルを作る。普段は閑散とした住…

残したんだっけ、

そういえば、ふっふっふ、私に似合わぬ忖度。 一昨日書いた通り、弟の居間で古いあれこれを整理した時、亡くなって久しい母の筆跡達は処分することにしたけれど、その中に一枚だけ、父の書があって。 色紙に私の名前がひと文字大きく書かれている。これは私…

生きていく、生きていける

十年ほど前、父が施設へ入ることが決まった時、実家(と言っても借家住まい)を引き払った。家財を随分大胆に処分したが、踏ん切りのつかなかった物は弟がトランクルームで保管してくれた。それを、父も亡くなった事だし、整理してしまおうということになっ…

比べないシアワセ、

ちがうのです、 私が目指したいのは、 例えば見比べて違いが分かったうえで、 澄んだ空も、澱んだ空も、 どちらもそれなりにいいなぁ、と、何があっても全てを善と見られること。

”同期”のサクラ

懐かしさにもスパンと深さ様々。 この5日間に2つの再会があった。 昨日は夫の従姉の娘Kちゃん…この間柄をいとこ違いと言うのですって。呼び方が冷たくないかい?…と2年ぶりに会えた。 Kちゃんは毎年広島から神戸まで遊びに来てくれる。ちょっと凄い人物だと…

似合っていた服が急に色褪せたら、

図書館の返却カウンターへ数冊を差し出すと、その中の『50歳、おしゃれ元年』だけをスタッフが奥へ取り分けた。次の貸出し予約があるらしい。気になるお年頃、か。 アラフィフ…若い頃の服がしっくりこなくなる、そしてまだクローゼットの一大整理を行う気力…

アナタを上手に愛したい

お弁当がいい感じに出来ると早朝の台所でひとりニヤついてしまう。 夫は週に2、3回お弁当を持っていく。今日は重要な業務が控えていたので、夫の好物の炊込みご飯を朝から炊いて、おかずも美味しそうなのを用意できた。しかし昨日は考えがまとまらないまま台…