2018-01-01から1ヶ月間の記事一覧

歌わないで今は

冷蔵庫の中にいるみたいな日が続いている。出掛けるのが億劫で月イチの通院を延ばしていたが、今日こそ行かねば。タートルネックセーターとロングスカートと厚手のレギンスを抱えて向かったのは石油ファンヒーターの前である。いやもうここでないと部屋着を…

ヴィンテージ

ネットフリマに出そうと、台所の上段戸棚に仕舞い込んだ箱入りの食器を取り出した。夫と結婚してから引き出物や内祝いに頂いた、ノリタケ、ナルミ、たち吉、香蘭社、等々。いずれも箱の中で時間をとめていた食器達だから輝きは健在だが、箱の外側は焼けやシ…

身辺整理。捨てるのは物じゃない、

玄関の上がり框のすぐ脇に、箱入り食器を大小十数個積んだままで年を跨いだ。それも2年連続で。なぜこんなことになったか。 先月12/7に書いたが、「ご家庭の不用な物、履かなくなった靴や古いTシャツ1枚から買い取ります」とリサイクル業者から営業の電話が…

ゆるぎなく

午前10時に携帯の緊急地震速報がけたたましく鳴った。恐る恐る開いた画面には「これは訓練です」と前置きして、地震発生、津波被害予想に基づく避難指示が。 とても不快だった。常にもしもに備えることは大切だろうが、よりによって今日、こんなに怖がらせな…

たそがれどき

おととい、夕食の準備で流しに立っていて、ふいに”ああお父さんはもういないんだ”と思い出し、ふうわりと寂しさが漂った。亡くなった時から淡々と受け止め、変わりない生活を送る自分を俯瞰し続けてきたが、3ヶ月半経って、これが初めての心底からの実感では…

夫婦喧嘩は猫にだって食わせるな

「1組の夫婦には2人以上の子どもを産む責任がある、でないと人類は絶滅の途を辿る」 大学時代、経済学の教授が語ったこの説は、授業の合間の脱線だったにもかかわらず、なぜか記憶に留まり、結婚しても子を望まず、授からずの私を度々苛んできた。 しかし「…

呪文が解けて

この年の暮れ、お煮しめの里芋を剥いている間ずっと、ある思いが胸にあった。 甲斐甲斐しかった姑が十数年前に亡くなって以来、お正月は舅の為の行事になった。年越し蕎麦、煮しめ、雑煮、鰤の漬け焼き。舅の好むものだけを用意し、大晦日と元日に夫の実家で…

毎日の始まり

年末年始のお休み中は寝坊を通したから、ゆうべ目覚まし時計をセットする時に「明日の朝起きられるのかしら」と呟いてしまった。が、5時半のアラームを鳴らすことなく止め、お弁当を詰め、夫に声をかけて朝食を出し、着替えと水筒を用意した。 仕事始めの夫…