ひとの目なんてどうでもいいの

近所の桜並木。 この時期は訪れる人でいっぱいなのだけれど、今年はひっそりとしている。 見てくれる人がいないのは寂しいだろうか。 仰ぎ見たけれど、別にそんなことはなさそうだ。むしろ伸び伸びと咲いているように感じる。 桜並木の町に住んで十年、気付…

夫婦、結び目は固く

夫婦喧嘩のそもそもの発端なんて後から思い出せないくらい些細な事が常だ。 が、そこから互いの在り方へと本質的な衝突を露わにしてしまうのも、常。 TVを見ながらの他愛もない会話。「俺、それを何回も言ってたのに聞いてないってイラッとするわ」「ごめん…

免許証の写真

免許更新をした。 せわしなく進む手続きの中で、髪と襟元だけさっと整えて撮った写真。出来上がりを見てびっくり。ひょうきんな笑顔になってた。確か日本では証明写真で笑顔はダメなんじゃなかったっけ。つい笑っちゃうのは、披露宴司会をしていた職業病で、…

なぜ「あけましておめでとう」?

年が変わることは目出度いか? 新年早々そんな文章を目にして、ぎくっとした。 ほんとだ・・・。 かつて ”年が経つことは死に一歩近付く” 不吉なことだと考えた僧侶もいたとか。 新しいだけではめでたいかどうかは分からない。「おめでたい」は「めでる」を…

また恋をする

ノロケや自慢ではなく、第三的な目線で、優しいひとだなぁと思う。 時々小さな諍いはあれど、何をするのもほぼ一緒の同級生夫婦二人暮しも23年になった。子もなく、互いの親も既になく、ますます気楽な暮らしだが、齢五十を過ぎて老い先がちらちら気にかか…

1122の日を前にして

夫を見送る時の気持ちって毎朝違うなぁと、ふいに思った。 私は駅前のロータリーの一隅に停めたスクーターのそばに立ち、駅舎のエスカレーターで上っていく夫を見上げながら。それはほぼ毎朝繰り返される光景なのに、結婚してもう23年近くなるのに、今更そ…

ゆさとのお別れ 6

純真無垢に生きたゆさに心残りなどあろう筈もなく、颯爽と帰ってしまった。 亡くなった後の遠ざかり感が速くて、私は呆気にとられている。 けれど、忘れられるわけではない。 見ると辛いよなと夫が言い、ゆさのケージを私は速やかに畳み、お風呂で洗ったが、…

ゆさとのお別れ 5

胸の上にゆさを載せたままでコーヒーを飲んだ。「ゆさ、ふしぎだねぇ、こんなに悲しくてもコーヒーはおいしいよ」 昔読んだ少女漫画を思い出した。主人公の女子高生が嘆くのだ、あたしってば失恋してもおなかが空くんだなぁって。 ゆさの心臓の鼓動が止まっ…

ゆさとのお別れ 4

亡くなる前日の朝には、ペレットどころか軟らかい青菜も食べないし、水も飲まないし、怖くなった。このまま何も食べないならば、動物病院へ点滴に行かねば。果物なら口も変わるし、カロリーも高めだし・・・祈るような気持ちでゆさの口元へ運ぶとしゃくしゃ…

ゆさとのお別れ 3

昼間は家事や自分のしたいことをしながら、ゆさが倒れていないか確認した。自分でえさが食べられないこともあり、長時間留守には出来なかったが、スーパーへ買い物には出かけた。ゆさに与える青菜の仕入れも重要だった。 好んで口にしたのは、水菜や小松菜、…

ゆさとのお別れ 2

3年前のゆさのウイルス発作以降は、神様が与えてくれたロスタイム・・・近頃はアディショナルタイムというようにサッカー中継で変わっていたっけ、とにかくそのオマケみたいな時間だろう。 人生の目的のひとつを「愛情を学ぶこと」だと私はこの数年考えるよ…

ゆさとのお別れ 1

ゆさがとうとう帰ってしまった。10月28日の朝に。享年13歳と7ヶ月。 今日でちょうど2週間たった。 何と言えばいいか分からない。何が書けるか分からないけれど書いてみる。ゆさがくれたものを留めておきたくて。少しずつ、やってみよう。 ウサギの寿…

50歳の、卒業。

赤十字からの通知が郵便受けにあった。私宛だ。もしやついに、だとしたらマズイかも……封を切らぬまま夫のいる居間へ持って行った。 17年前に骨髄バンクのドナー登録をした。もっと前から希望していたが、「健康な体に不必要なメスや針を入れて欲しくない」と…

値上がりさえ嬉しいんだキミがいてくれれば

うさぎの牧草を買いに行ったら値上がりしてた。 住宅街の只中の、一見それと分からないような小さなうさぎ専門店で、もう13年も買い物をしている。牧草はほぼ2週間に一度のペース。 いつものようにガラスのサッシ戸を開けて入り、小さい枕サイズのいつもの牧…

ハイ今日から秋!

残暑と台風が寄せては返し、いつまでも暑いけれど、季節はやはり進むのだ。 今日、金木犀の香りがした。 午後になって買い物に出ようと玄関の扉を開けたら、風の中にふわりと混じっていた。斜向かいのお庭に立派な金木犀の木があって、枝に目を凝らすと、淡…

サイアクの迷惑女

時計をよく読み間違う、と前々回書いたが、実は…とんでもない失敗をしたことがある。もう27年も前のことなのに、思い出す度「あーっ」と声がでちゃうほどの。 夫とは大学4回生の春から付き合い始めた。超まじめ学生の夫は普段の授業と空手サークルに加え…

あの、風。

あ、この風。頭の中でカレンダーを確認する。やっぱりお盆だ。毎年そう。お盆前後になると立ち始める。 そうして、この風を人生で最初に感じた時の光景が勝手に浮かんでくる。 学年までは定かでないが私は小学生で、プールの水面から顔を上げた時だ。 頬に風…

早起きは三文の徳、を覆す!

些細っちゃ些細ながら、これはこれで取り返しがつかないことにも。 時計をね、一時間読み間違えるんだ、私は。年に何回か。結構頻繁? 夫の出勤は早い。始業時間前に一仕事片付けたくて頑張っている。6時22分の電車に乗る為、まだ暗い5時半過ぎに私が起…

どうしたの食べなさいよ

ゆで卵とマヨネーズの相性が好きだ。タルタルソースはもう掛ける主役なんか要らない、それだけで良くて、それだけを食べたくて、止まらなくなってしまうから、むしろ作らない。だから夫は私がこんなにもタルタル好きだとは思っていないだろう。 ゆで卵を入れ…

すぐに気付いたよ、

半年ぶりかな、弟からの電話。 父の三回忌の日取りを決めたから、と。「それから」 そうそう他にもあるだろう、あのことが。「俺、5月に携帯を水没させちゃって機種変更したらデータを引き継げなくて」「そうだと思ってたよ」 ラインのトークリストに突然『…

成功率70%ということは、30%の確率で死ぬということ

近頃日常が変化してきた。子供の頃から、見なくてもBGMよろしく点けていたTVを消す。不思議だ。PCに向かう時間も激減した。…更新さぼりの言い訳(^^; 3日前とても悲しいことがあった。セキセイインコが亡くなってしまった。 うちには、迷子で保護…

”日にち薬”って関西弁なの?

節目は節目、なのだなぁ。 先週、舅の一周忌を行なった。夫と私、叔父夫婦だけという小規模なものだったのに、ひと月も前からそわそわと落ち着かず、済ませて一段落した気になっている。 舅が暮らしていた家は一年間手つかずになっていた。台所のコンロ脇に…

さくら桜サクラsakura…

いよいよソメイヨシノも終わりだなぁ。 近所の桜並木。私は素直じゃなくて、つくづくあまのじゃくで、満開の頃に人や車でひしめいているのを見てわざとそっぽを向いて迂回したりした。そして今、静けさの中の葉桜を見上げている。 通りかかる私に、はらりは…

怖いのに顔が笑ってた

怖くて笑っちゃった。そんなこともあるのかと思った。 昨日は月に一度の通院日だった。約10年前にリウマチを発症し、足指の変形進行が特に酷くて、6年前に右、2年前に左の親指が人工関節に変わっている。今は月に一度の特殊な注射と、週一でステロイドの飲み…

自分の存在意義を問う

決してノロケなどではなく、ウシロメタくてこれを書いている。 バレンタインに私は市販のマカダミアチョコを買っただけ。珍しくも高くもない、けれど何度か買ったことがあり、夫が好むと分かっているもの。手作りは気を遣わせるし、チョコケーキとかだと、夫…

日を送る

なんということのない日々の中にも細々といろんなことが散りばめられている。 夫の父が昨年亡くなり、留守宅になっている夫の実家へ、今日は出掛けた。ガス警報器ピコピコの取り外しに立ち会う為に。 スクーターで20分の道中に抜ける、市の南北を貫く山中の…

悶々と、犬も食わないことを

今回は堪えた。それでついひと月ほど筆を握りかねていた。 一瞬にして天国から地獄。喧嘩してしまって、あれれとなる。あれれ。仲のいい夫婦のつもりだった自分を嘲笑う。 これまでだって全くなかった訳ではないし、自嘲をこめて喧嘩と言うが、私にとって、…

文字を持たない幼子は(続 幼児作品展より

気付いてハッとした、これは文字じゃないんだ!! ”ヤクルトをこぼした”という画中の『乳酸菌』は、単なる模様。これを描いた子は5歳だからまだ漢字を習う前だろう。見えたままの、酉へんも草かんむりも意味を持たない線としてそこにあるだけ。 漢字として…

考えるな感じろ、幼子のごとく

物事は対極の2面性をはらむという。ならば明るいほうを捉えたいものだ。 幼稚園に通う子ども達の作品展を見に出掛けた。昨年に続き2度目である。上手に描こうとか大人ウケを狙うといった邪念がまだない、2~5歳の子ども達の絵や工作がずらり数百点。 まず…

年賀状に人生を問われる

何を大仰な、と笑われそうだけれど… 人として生きるというのは、年賀状を誰に出す誰に出さないというような事を思い煩うことではないかしら…… いえ、クヨクヨ加減は人により程度の差があると思うのですが ^^; 昨年11月、喪中欠礼ハガキを書く際に迷って出…