ビューティフルネーム

 一年延期になったものがきっと世界中にあるのだろう。

 オリ開会の前日、あるバレエスクールの発表会があった。発表会といっても、トップの生徒は世界へ羽ばたくレベルの高いスクールで、よちよちのベビークラスもあるが、他のバレエ団から客演を呼んで本格的な演目が上演される。一年半ごとに行われてきて、本来なら昨年の予定だった。

 十年ほど前から私は影アナウンスを担当。この数年仕事をしていないが、これだけは関わらせてもらっている。

 第四部まで4時間のステージ、数十人の名前を延々読んで行くのだが、この仕事ならではの凄いプレッシャーがある。絶対に名前を間違ってはならない。特に小さなお子さんほど。舞台袖からステージへ出ようとする時に、自分の名前を間違われたら、ガクッとなって、うまく踊れないかもしれない。本人だけじゃない、客席で見ているご家族も、ここまでレッスンを続けさせ、支えてきた晴れ舞台で我が子の名前を読み違えられたら・・・。

 舞台袖のマイクブースで緊張のあまり、心臓がバクバク、口の中が干からびる。今回は仕事を離れたブランクもあり、情けないほど怖かった。噛みかけた箇所もあったが、なんとか無事に終えることが出来た。私はさておき、舞台はもちろん大成功、先生方、ご家族、生徒さんの努力の結晶であった。

 本番中、心をこめて呼ぼうと自分を叱咤する時、ゴダイゴの歌詞が浮かぶ。

『名前、それは燃える命 一つの地球にひとりずつ、ひとつ・・・』

  ♪ 近頃好きな某CM、コビトの草刈正雄さんが朝の枕元で『雨ニモマケズ』を朗読。

  ♪ 私も真似してみました(体サイズは元のまま) よろしければ全文どうぞ ♪

  雨ニモマケズ - よろしゅうおあがり - Radiotalk(ラジオトーク)