急転直下なるか? 5/23

 午前2時半にパチリと目覚め、そのままほぼ起きていた。携帯でブログや小説を見て。

 5時半、運命の採血。果たして輸血は。

 実は輸血嫌さに前日かなりジタバタした。貧血に効く食べ物をネットで調べ、チョコレートのカカオがいいとあった。

 院内自販機にチョコがあったのを思い出し、その製品のホームページで成分検索したり。

 ココアもいいというのでまた自販機へ走るも、ない。 オロオロ検索するうち、チョコに即効性はありません、という文に無駄な抵抗を諦めた。

 採取された血が運ばれていくのを祈りながら見送った。

 朝食にメロンパンが登場。噛み締めると甘い。久方ぶりのシャバの甘さだ、なんて思った。

 10時前からリハビリが始まる。仰向けに寝た私の強張った腕を、先生はほぐしては動かす。

 施術中に、主治医が来られた。

 貧血、改善してます、6.5→7.5に。

 やったーと小さめだが叫んでしまった。

 それから、

「明日水曜のレントゲン次第で退院の相談だが、その日の午後に退院したいらしいね、いやに急ぐのはなんで?」

「夫の休みが今週は明日だけなので、面会予約をとったんですが、そのまま連れて帰ってもらえないかと、それだけなんです」

 私はダメ元だったが、主治医は、事務方と調整がつけば、と可能性をくれた。

 そして、お昼前、看護師さんが、レントゲン次第ですがと前置きの上で、

「ご主人の面会のタイミングで帰っていいですよ」と!!

 はやる気持ちを抑えて夫にライン。

 当初2週間はと言われていた退院が、なんと術後1週間に!こんなに早まることがあるなんて!!

 そこからは9割5分の夢心地と残り5分の懸念を胸に過ごした。

 病院の夕飯は早い。17時半、看護助手さんがトレーを運んできてくださり、夏のような日差しに輝く窓にカーテンを閉めて行った。

 もう少し開けておいてとは言わない。カーテンを閉めることは彼女の業務だ。

 

 手術から今日で6日、とうとう四人部屋にひとりのままになった。 整形外科と内科の病棟にいて、たまたま入院患者が少な目、しかも自立歩行のできる年代はどうやら私だけになっていた。院内をウォーキングしては目立ち、看護助手さん幾人もから声をかけていただいた。

 

 この入院は、私のバイク転倒に始まり、夫に多大な負担をかけ、全身麻酔で4時間に及ぶ複雑骨折の手術、左腕は三週間三角巾で安静、自業自得の苦痛と不自由はあれど… 気づけば保養所に滞在したような不思議な8日間となろうとしている。 さて明日の夜は自宅で眠れるだろうか。