家事をしようなんて思うな、ここは病院と同じだ、と

 今、自宅です。

 昨日、退院できました!

 

 午前中のレントゲン検査が問題なしとなり、午後の退院OKになった。そこからは薬剤部や医事課の手続きを進めていただき、午後イチのリハビリを受け、ゆっくり身支度、15時過ぎ夫が迎えにきてくれた。

 そのままホームセンターへ寄る。亀の餌が切れたらしい。夫と店内を歩き出してすぐに動悸がした。院内を1万歩こなせたのに。

 やはり病院内で動くのとは違う。夫が釘をさす。

「退院したのはあくまで自宅療養であって、家に帰ったからと言って、家事なんかしたらアカンぞ」

 8日ぶりの我が家は、台所、洗面所、そこここに夫の苦心の痕跡があった。

 入院中はラインだけだったから、話したいことをいっぱい喋り、興奮さめず、夫が夕飯の支度をしてくれて、手伝うこと許されず、ようやく荷物を片付け始めた。片手だと衣類がうまくたためないからちっとも捗らない。

 夫が炒め物二品、カニカマサラダと、カツオタタキを切って出してくれて、食卓に着く。美味しいのはもちろんだが、私が入院中の夫の寂しさをぶっ飛ばしたくて、やかましいほど声高に「美味しいね」を連呼した。

 明日の出勤準備や寝支度をすると夫はくたくたになった。すぐに寝息を立てていた。

 私はというと、夫が入れてくれたインスタントコーヒーを調子に乗って二杯飲んだからか、布団の中でぱっちり目が覚めたままで、ようやくうとうとできたのは午前3時。それも、夫にとケンカする夢を見て、しくしく目を覚ましたり。 

 今朝、夫が出勤し、元通りの日常が始まった。と思ったが、洗濯機を動かし、台所の掃除をしたら、三角巾の中で腕がじんじん、頭クラクラ、だめだ。こんなにも体が弱くなってしまって。

 あとは大人しく過ごし、夫の帰りを待つばかり。夕飯の支度は止められている。お腹が空いてきた。私って一体なんなんだろうと、50を過ぎて益々分からなくなっていく。

 ともあれ、いつも思い知る、私は今恵まれているのだと。

 明日は通院でリハビリ。三角巾が取れるまであと二週間。