後ろめたいほどありがたい 5/22

 そりゃ救急車だって給油するだろうさ、と自分にツッこむ。

 病室から見えるガソリンスタンドに救急車が入っていくのを珍しがってしまって。

 

 社会も病院も慌ただしい月曜なのに、私には午前と午後のリハビリしか予定がなくて。

 体力が落ちないよう院内で歩いてくださいと、リハビリの先生に言われたのが金曜。土、日と7000歩ウロついていた。

 午前のリハビリで尋ねられたので申告すると、

「一万歩を目指しましょう」と。

 で、昼下がりにウロウロしてたら、看護助手さんが「頑張ってますねぇ」と声をかけてくださった。

「いえ足りなくて一万歩でないとダメなんです」

「あら!無理せずに頑張ってね」

 そう言ってくださる看護助手さんの額に汗の玉が光ってて。私より年上の、おそらく60代だ。キツい職種の一つだと思う。

 そんな方に励ましてもらって嬉しく有り難く、恐縮通り越して後ろめたいほど。

 以前からこういう後ろめたさを感じることがあった。

 夫の休みに頻繁に行く回転寿司店がある。

 若いバイトさん達は入れ替わるが、長くお勤めの50〜60代と思しき女性が三人いて、お互いに顔を覚えている。

 土日だけでなくお正月にも出勤してテキパキ働いておられる姿を見るにつけ、後ろめたい。

 リウマチ持ちとはいえ今は元気なのに、仕事もせず、育児介護もない私。

 私に与えられた使命がまだ先に待ち受けている筈、しっかりと備えておかねば。その為に、今はからだを治します!

 治療、生活サポート、あらゆるお世話をいただきながら、なんと多くの人が関わってくださることかとあらためて驚いている。

 

 夕方、帰りが早まった夫が病院下で手を振ってくれた。そうここは元々夫の帰り道沿いなのよね。