入院日記11/21

 消灯の頃にそっと…。

 

 ゆっくりと、せかせかと、病院の一日は過ぎる。

 月曜日の院長回診のように過ぎていく。

 

 ガーゼをテープで止めるか否か、包帯の巻き方の指示、手術後のキズを冷やす期間まで、ドクターによって違う。

 ガーゼ交換の度に少しずつ変わる。それが、一日を大きく左右する。夜になって包帯がきつくなったり、手先が動かし難くなったり。

 

 面会禁止を破って、駐車場で会おうかと夫が言ってくれた。会いたくて、相当迷い、でもラインで。

 隣のベッドにとてもマナーの悪いお婆さんがいるの。もし私が違反したら、その人と同じかそれ以上の反則になる。

 そのかわり今夜電話してもいい?

 

 ラインやメールはありがたい。昨年夫がひと月出張した際も、文字ながらほぼリアルタイムで会話ができて、つながってる感を覚え、不思議で、そして安堵できた。

 でも、消灯前の、病棟が眠りにつこうとする、午後7:30、照明を落とした外来のベンチで電話をしてると、自宅にいる夫の生き生きした声に、しみじみうれしくなった。

 結婚前の中距離恋愛中、夜に交わした電話の時間みたいだった。