入院日記11/12

 痛い。

 昨日は10:30からのオペで、朝から採血やらソワソワするのはあたりまだが、その前に私には難関がある。

 手術用点滴針が入らない。

 普通の3センチ金属針と違い、手術前から手術後2日目くらいまで繰り返し点滴時に一々刺さず入れておける、しなる樹脂の長さも5センチ以上の太いもの。

 私の血管は細めな上、弾力があり、刺そうとすると、ぐりんっと逃げるらしい(看護師談。

 十年前、腕のいい看護師さんが二回失敗して、深追いはやめときます、と看護主任を連れてきた。

  五年前、その事が記録に残っているらしく、ある看護師さんが、挑戦させてください、と来られたが二回失敗。チーフにバトンタッチ。

 そして今回。

 とても若い看護師さん。私のは難しいとか先入観はかえってプレッシャーだろうと、何も言わずに任せた。うまく入れと祈りながら。

 しばし格闘、探るも刺せず。先輩看護師さんかやってきた。この人は五年前もここにいた人。噂は知っていた。果敢に挑戦してくれた。三回失敗。ごめんなさいを互いに交わす。

 ちょっと仕切り直しと立ち去り、10分くらいして温タオルを手に登場。ダメなら足にするが、術後歩けることを思えば私の為に避けたい、最終手段として、腕の、もう使える血管はこれが最後、とトライ…。

 大成功! ありがとうございます!難関突破。

 しかしこんなに看護師さんを困らせるの、もうやだな。

 かくして、夫と面会ののち、装束を整え、ベッドごと手術室へ。

 10:30開始、肘の骨の砕けた部分を金属プレートで固定、切れていた筋肉も縫い、縫合。

 今回は腕一本だけの麻酔と、睡眠材のみで、縫合中にもう覚醒された私に、オペ看護師さんか、終わりましたよ今縫ってますから。執刀医が、心を込めて縫ってます、と言うので笑った。

 自分ではしっかりしてつもりでも、ふわふわして、手術室前で待っててくれた夫と顔は見交わしたが、そのまま部屋へ運ばれた。後ろで、夫に看護師さんが「あとは退院まで会えません」と言われてらのが聞こえた。かなしかった。

 その後夫は術後説明を執刀医から聞いて帰宅。

 あとで聞くと、手術時間は2時間半を超えていた。

  部屋で1時間休んで、看護師さんに手伝われで着替え、自力歩行でトイレへ。18時には夕食と進む。

 が、ふわはわはそこまで。腕の麻酔が切れてくるに連れ、痛みが襲う。足の時に経験があるので覚悟してたが、足の時のような強い痛みどめが処方されず。23時過ぎて、激痛。看護師さんに泣きを入れた。腕がちぎれるように痛い。考えたら大げさでもなく、まさに肘を15センチも切り裂いて、金属プレートに骨をスクリューネジ数本打ち込んだのだから、まさになのだ。

 飲み薬がきいてきて、やっと明け方まで眠れた。

 起きたら、やっぱり痛む上、医師から冷やせとの指示でアイスノンを3個当てられ、重くて冷たくて閉口。

  ずっと辛さに体を横たえていたら、リハビリの先生が来て、少し歩いた。その間、痛みが紛れていたのに気づき、院内を軽く散歩、外来の自販機まで行って、缶カフェオレを飲んだ。

 さあこれから。骨が固まるまで二週間、それからリハビリ。