入院日記11/25

 手術した肘はギプスシーネという、金属製L字添え木に包帯で固定されていた。その二週間は、腕の圧迫感でよく寝られなかった。

 今日の午前10時過ぎにはこれが外れて、腕が軽くなるんだ。縫いキズがOKなら抜糸して、シーネがなくなって、退院…。

 そう思うと興奮で目が冴えた。

 起床から心の中でカウントダウン、いよいよその時が。

 主治医がガーゼをめくり、傷口付近のテープみたいなものを剥がし、検める。

 肘の裏というのは本人には全く見えない。

 うんいいでしょう、もうシーネもガーゼも当てなくていい。

 あれあれ抜糸は??抜糸してもらわないとリハビリもできないのに。

 しかし先生は行ってしまう。

 残った看護師さんに聞くと、糸で縫う時、ホッチキスみたいなので止める場合、テープで止める場合があり、私は、あの剥がしたテープだったのだ。

 拍子抜けしながら、いざ…動かぬ。肘が90度以上曲がらない。伸ばす方はそこそこだが。曲げようとするだけで激痛。

 ここへ来て焦る。これは、リハビリ相当手こずりそう。

 シーネで2週間固定した関節は、外してみないと、どれくらい動くか分からないとは聞いていたが、私は楽観視していた。シーネをつけていても、手首から先は通常通り動いていたから。

 愕然と、昼食の時間を迎えた。16日ぶりに右手に箸を持って食べる予定だったのに、相変わらず左手にフォーク。ずいぶん使えるようになりつつあるのが、かえって悔しい。このまま左手で生活しなければならないかもしれない。

 痛くても、先生は、どんどん動かして、と言った。ベッドの上で曲げ伸ばししてみるのだが、筋肉ぱんぱんだし、激痛のせいで、今まで使えてた右手の指先まで動かせない。

 困った。

 夜になり、少し痛みが治まって、また動かし始めたら、ほんの少し可動域が増えた。

よし、この調子。明日から本気でリハビリだ!

 夫に、退院OKを知らせた。

 あとは月曜、夫に会うまであと二日、もっと腕が動くようにしておくだけ。