入院日記11/15

 整形外科病棟は雰囲気が比較的軽い。患者とスタッフの立てる音で一日中ざんざわしている。

 朝から晩まで細切れにイベントがある。

 起床、検温、顔拭きタオル、お茶配給、食事、ガーゼ交換、回診、検査、お風呂か体拭き、シーツ交換、薬配布、お部屋清掃、etc.

 自分に関わってくれる沢山の人と事。

 中でも密接で治り具合を左右する看護師と補助スタッフには感じるところが大きい。

  当たり前だけど個性的、仕事ぶりも様々。

 ガーゼの巻き方ひとつ取っても、キャリアと思いが表れる。あるうら若き看護師さんの、ガーゼの巻きに私は感動してしまう。

 ふんわり優しいのに緩みなくフィットするし、巻き終えた後の仕上がりも美しい。彼女が巻いてくれた一日は心地よく過ごせる。

 素人のベッドという高みの見物で何か言うのも無礼だが、仕事に対する姿勢を感じてしまう。

 かつて仕事をしていた私はどうだったろうか。

 四人部屋の仕切りカーテンの開け閉めにさえ、人柄が出る。

 斜向かいの、同年代の人が、同室ご高齢の二人にとても丁寧に朗らかにお声をかける。

 入院すぐから、なんてすごい人だろうと驚いていた。話してみると、なんと、同じ小学校出身の学年四つ上だ!

 患者は割と広範囲から集まっているのに、あの小さい町で育った人!

 こんなことってあるかしら。

  三つある公園の遊具、担任の先生、崖を降りる冒険遊びと通ずる話題。

 対して、四つ離れるだけで知らない事や違った事。

 童心に帰らせてくれた、四つ上のお姉さんだが、明日晴れて退院、おめでとうございます!