入院日記11/9

 昨日急きょ決まり、今朝入院した。

 病院の廊下を歩いていると、五年前の手術入院が蘇る、同じ病院だ。思えば、このブログはその退院直後に開いたのだった。

 足の骨を切って、ひと月も家を留守にした。やっと取り戻した日常の中で、けれど元に戻ったのではなく、足の親指はチタン人工関節になり、残り四本の指も関節を失い、足の甲はまだパンパンに腫れ、浮腫みが引くまで二、三ヶ月かかる。

 なにか、手応えが欲しかったのかもしれない。

 さて、まさかの入院一日目。

看護師さんとのカウンセリングと数種同意書に署名、合間に血液検査と尿検査。

 それから持参品を枕頭台へ収め、マスク着用や面会禁止についての書面に目を通した。コロナ禍での入院に戸惑ってしまう。

 まず病棟へ行く前に、別室でPCR検査を受けた。初めてだったが、長い綿棒を、看護師さんが私の鼻のかなり奥まで差し込んでぐりぐりする。鼻がつんとするような痛みにちょっと涙が滲んだ。二十分後、結果を受けてようやく病室に入れた。

 事前に目を通した入院案内の冊子では面会は家族といえとも許されないとあったのに、手術日に夫は来ないと言うと、「来てもらえないですか」と、看護師さんが慌てる。「はい、主人も急には休めませんし。前の手術の時も来てもらわなかったですよ」

 冷たい夫、冷めた夫婦と思われたかな。

 なにしろ、今回の入院は急なことだったから。

 昨日の朝、パイクで転倒、右肘をアスファルトに打ち付けた。直後は鈍い痛みと痺れがあったが、指は動いたし、ある方向へ動かさない限り痛まない。ただ、肘の裏側が妙にぷっくり大きく膨らんでいた。

 一応診てもらっとこうと、私のリウマチの主治医にして整形外科のスペシャリストでもある先生の所へ。

 レントゲンで骨折が判明。しかも手術しないと一生繋がらない箇所だと。入院期間は二週間。

 呆然と帰宅し、のろのろと荷造り、重いパックを担いできたのだった。まったく、思いがけないことになるものた。