手を借りられる謙虚さを

 あさって、三角巾を外せる。右肩の脱臼から三週間着けるようお医者様から言われていた。

 利き腕だったので不自由とはいえ、痛みもなく、肘から先は使えるし、着替え時に腕をバンザイと上げてヨシと言われていたので、比較的楽な療養期間だった。

 買い物に行き、レジを終えて袋詰め台に移動すると、後ろから初老のご婦人が追いかけてきて、「袋に入れてあげましょうか」と声をかけて下さる。

「ありがとうございます、もうほとんど治ってるので腕が使えるんです、大丈夫なんですよ、ありがとうございます」と辞退したが、お気持ちが嬉しかった。

 帰り道ふと考える。

 いつも私は何でも一人でやろうとする。夫の注意を聞かずに勝手に自分のことをやろうとする。誰かに何かをして貰うのが苦痛でならない。

 けれど、本当に自分一人で出来ない時に、善意で手を貸そうとしてくれる人に『お願いする』ことを学ばなければならないな、と。もし自分に子どもがいたら、そのことは教えたい、とも。

     ♪ 短いけれど心を打つ。朗読ですがよろしければ全文どうぞ ♪ 

    雨ニモマケズ - よろしゅうおあがり - Radiotalk(ラジオトーク)