あなたを笑ませたくて

 ポインセチアやクリスマスソングが街を彩り始めた。さて。どうしよう。
 私たちは昭和な夫婦だからイベントに特に何もしない。ちょっとしたものを贈り合うくらい。なのだが。この”ちょっとしたもの”に年に2回、夫の誕生日とクリスマスとに私は打ちのめされる。
 夫の選ぶ贈り物は、手袋やハンドタオル、ルームソックス、文房具など、どれも柔らかな色合いや小さな刺繍、可愛いイラストといったチャーミングな品ばかり。なのに私ときたら、夫の喜ぶものを見つけられないのだ。品選びやラッピング演出などのセンスが元々ない上に、夫は好みのストライクゾーンが狭く、服や小物をすべて自分で選び、欲しいものがあると即買いしてしまう。つまり私は無くても困らないけれど、見ればにっこり出来る、意外な品を探さねばならないということ。いつもギリギリまでショッピングモールを右往左往。その最中で浮かび上がる言葉がある。
 ”与える者は幸いです”
 ギフトを、愛情を、貰うひとよりもあげることの出来る人のほうが幸せだと、夫と結婚して、つくづくと思い知った。今年こそ早めにとの意気込みも21回目になるが、いえいえ今年こそは。

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