入院日記11/17

 答えはひとつじゃない、というけれど、目指す理想の頂点は、ひとつ、だと思う。

 登り方が違うだけ。

 

 入院生活はつくづく忙しいのか暇なのか分からない。

 起床、顔拭き、術後1週間採血、食事、検温、リハビリ、ガーゼ交換、術後1週間レントゲン、薬配布、昼食、シーツ交換、夕食、検温、顔拭き、消灯。

 昨日のイベント。合間合間に、明日はお風呂だとか、肘を冷やすアイスノンの交換数回だとか、声がかかる。

 では忙しいかと言えば、午後などは、14〜18くらいまでまったく何もなし。午前にしても、それぞれ5分くらいで済むから隙間たっぷり。ただ、ふいに声がかかるから、わさわさ感じる。

 

 今日のリハビリは女性の先生。昨日に続いて手のひら、指の変形をさ矯正するトレーニング。

 ここには理学療法士が6〜7人いる。

 機能回復と入院中の筋力低下、という目的は同じなのに、先生によって内容がかなり違う。

 それぞれ、経験やアイディアで、より有効な施術をしてくださる。

 以前、司会の仕事をしている時、先輩の事務所で、何度か後輩のレッスンをした。その際、「わたしと先輩が、あなた達に全く反対の指導をすることがあると思う。例えば、わたしは平らに喋れ、先輩はもっと抑揚を付けて、と。だけど、矛盾じゃないの。戸惑ったら、そう言ってくれたらいい。わたしと先輩とで方法が違うだけで、目指す理想の喋りは同じなの」

 そう口にしたことを思い出す。

 どこの世界も同じなんだなぁ。