生まれて初めてが、ふたつ

一夜にして寒くなった。台風が夏の空気をさらって行ったか。

昨夕バイクで出たら寒い。前日まで薄い羽織りものでも暑かったのに。

ようやく肌寒くなったのが嬉しくて、こんなふうに思ったのは生まれて初めてで不思議だ。

秋になったのだ。

三年前の秋に亡くなったウサギのことを想う。

幼くして死別した母、祖母、これまで関わった小鳥たち。生きるものは死ぬ。そんな風に達観したようなつもりでいた。五年前に父が亡くなった時も涙は出なかった。

なのに、ウサギの死の悲しみは一向に薄れない。

辛い。

それが昨夕のこと。

こんなに辛いと思えるほど、愛しいものと出会えた私は、幸せなのだなぁ。

これも、初めて思ったこと。

この秋は、何かが少し違うようだ。