touch me more

 アナウンススクールでは自己紹介を求められることが度々あった。自分の売りだけを面白く端的に。都合の悪い事はあえて言う必要はない、いや言ってはならないのだ。
 これは極端な例として、人物を正確に伝えるのは難しい。     今週のお題「自己紹介」
 前の記事で私は司会の仕事をしていたと書いた。これだけ読めば私がずっとそういうことに関わってきた印象になるが、この部分は結婚後に変化球みたいに現れるここ10年弱の側面だ。地味で人見知り、相手と目を合わせて話すことが出来ず、学生時代は漫画家に憧れ、建築系の学科を出て、設計事務所で働いた。ああ、こっちが本来の姿だと、書いてて実感する。
 【群盲を評す】というインドの寓話が思われる。盲人達は、それぞれゾウの一部分だけを触り、その感想を語る。足を触った盲人は「柱のようです」、鼻を触った盲人は「木の枝のようです」、耳を触った盲人は「扇のようです」…触った部位により感想が異なり、皆自分が正しいと主張して対立が深まる。しかしそれが同じ物の別の部分であると気づき、対立が解消する。『物事の一面だけを見て、すべてを理解したと錯覚してはならない』という教訓。
 こう諭されると、ブログを書くのも怖くなるけど、寓話はハッピーエンドを迎えている。見方が違おうが、私達は同じ世界に生き、同じものを見つめているのだから。    f:id:wabisuketubaki:20180411121830j:plain