ゆるぎなく

 一週間に一度自宅に届けてくれるコープの個配を利用している。といっても、二人家族だから、注文量は少なく、二週間に一度になったりしていた。
 それを、四月頭の非常事態宣言を受け、大いに注文したところ、しめじとかぼちゃは入荷数を上回る注文で届かず、一玉頼んだキャベツは半分に切ったものだった。
 考えることは皆同じなんだ。
 在宅の人が増えれば、配送、物流頼みとなる。宅配業者さん大忙しらしい。
 どうしても出掛けられないとか、家族が多いとか、もっと必要な人がいる筈。不要不急は、ネット注文にも当てはまるなと、コープの注文を二週間控えた。
 が、やはり欲しいものが出て来て、心の中で「ごめんなさい」と唱えながら、今週はコープさんやネットショップの注文をした。
 義父の三回忌にお供えを送って下さった方がいて、お礼の品を手配した。法事も見送った只今の世情を、義父は驚いて見下ろしていることだろう。
 三日おきくらいに買い物に出ると、燕がひるがえるのがやけに目に留まり、けな気で可愛くて嬉しくなる。人の混乱などに惑うことなく、せっせと巣をつくり、子育てを開始するのだ。そのゆるぎない営みを頼もしく思う。
 非常事態宣言は延長されたけれど、もう一息、今月末になれば、何らかのめどがたつだろう。