今日の春めいた風に花びらが舞い、それはため息を吐くほど美しい桜吹雪だった。今年は誰もが特別な思いで桜の木を見上げたのではないだろうか。
志村けんさんは体調不良を訴えて間もなく意識不明になり、自身がコロナに罹ったと知らないままに・・・というようなことがTVで語られていた。
私はリウマチ持ちで、免疫を抑える薬を服用して十年になるのに、普段から風邪もひかず、インフルにもかからないので、油断というか、ちょっとナメてるところがある。
が、この度のコロナ、志村けんさんの話に、万一のことを考えた。
もし罹ったら私はあっけなく重症化して意識を失ってそのままになるかもしれない。
昨夜、TVで緊急事態宣言のニュースを見ながら、夫に言った。
「私ね、辛い生い立ちだった、子ども時代は貧しかった、苦労したとさんざん言ってるけど、大人になって、あなたと結婚して、もう取り返したから。今死んでも”ああ幸せな人生だった”と笑って言えるようになってるから。ありがとうね」
「なんでそんなこと言うの?」
「だってね、突然意識がなくなったら言えないじゃない」
「絶対罹らんといてよ」
「うん、そのつもりだけど、万が一よ」
何が起こるか分からない。
半年後、世界がどうなっているかも分からない。こんな状況をほんのひと月前まで考えもしなかった。そんな世の中で、でも私はこの春新しい一歩を踏み出して、もう一花咲かせようと、夢いっぱいのアラフィフである。