喪中だからとお正月らしいことのないまま年を跨いだが、ここいらは静かな住宅地であるせいか、元旦の朝はきりりと引き締まった空気に満ちていた。
夫と家で録画したTV番組を見て過ごしたお正月休み、出掛けたのは、大晦日のお墓参りと、3日のお昼の回転寿司のみ。
スクーターで5分強の回転寿司店へ向かう前に、夫は、私の希望を叶えるべく、ある場所へ寄ってくれた。毎年お正月に私が見たいというからだ。ちらっとでいいのだ、前を通ってくれれば。だって今時珍しい大きくて立派な門松なのだもの。
それは某暴力団組長宅の門松だ。今年も見事だ。広大な敷地の周りには防犯監視カメラ網が張り巡らされているから、門の前に夫がスクーターを止めたのは筒抜けの筈。私はタンデムを降り、素早くスマホのカメラでぱしゃり。すぐさま又スクーターへ戻り、夫へ「は、早く出してっ」、毎年命がけである(笑。
門松は年神様を迎えるもの。一年の平安を願う思いは誰しも同じなのね。
とはいえ、視点を変えれば目出度いばかりではないらしい。
『かどまつ【門松】 は 冥途(めいど)の旅(たび)の一里塚(いちりづか)めでたくもありめでたくもなし』
一休宗純作。正月の門松はめでたいものとされているが、門松を飾るたびに一つずつ年をとり、死に近づくので、死への道の一里塚のようなものだの意。
老いるのはやっぱり嫌だ、いい年を重ねるなんて中々難しいけれど、出来るだけ機嫌よく過ごせるよう、今年もがんばろ~~!
ご挨拶が遅れ、松も明ける頃となりましたが、今年もよろしくお願いいたします。