穏やかな日々を早く取り戻せますように

 昨日9/6、いつものように出勤する夫を見送って6時半にTVをつけて、私は初めて知る、震度6強の地震が起こった事を。
 どこ-----北海道? いつ-----午前3時? 
 私は阪神淡路大震災に遭っているから揺れの想像がつく。いくら離れた地とはいえ、この激震を3時間半も知らずにいた。TVやPCを点けなければ、この激震は私にとってないも同然だなんて。

 9/4の台風21号は関西のまさに私の住む町に上陸した。確かに風は凄まじかったが、3時間ほどで過ぎ去り、近所の街路樹が折れたくらいで済んだ。と思っていたら、台風進路の東側だった市区町村は未だ停電が続き、海沿いの高潮被害は深刻、東日本では長く続いた風雨の影響が至る所で出ている。

 以前から気になっていた。被災地と被害のない町とのあまりのギャップ…。

 戦争でも起こったかのように市街地が廃墟と化し、水道電気ガスが使えず、電車が止まった阪神淡路大震災の当時、私は結婚前で、隣の県で一人暮らしをして働いていた。週末に地元に帰って地震に遭い、給水車の列に並んで数日を過ごし、ようやく一部開通した電車にのって勤め先へ戻ったのだった。

 その60分間の車窓に広がる瓦礫の原はしかし間もなく何の変哲もない住宅街の風景に変わり、降り立った駅は煌々と明るく、これまで通りに行き交う人で溢れていた。
「こっちも揺れたよ、冷蔵庫が動いたし、食器棚が倒れたし」と職場の人は言ったけれど、私の部屋も通勤ルートも事務所も、まるで何事もなかったよう。ではあの、アスファルトが割れて隆起した町はなんだったのか。県境で別世界に区切られ、私が数日間体感した現実はニュースの中にしかなかった。

 今日の傍観者は明日の被災者、逆も然り。しかし心まで隔てられないよう、どんな時も願い続けたい、自分がTV画面のどちらにいようとも。