松尾芭蕉さんへの誤解とお詫び

『松島やああ松島や松島や』 有名な句である。
 俳句の基本の季語がないのは、松尾芭蕉が、松島の絶景に感動のあまり季語を入れる隙もないという表現だと、習ったと思う。しかし、これがありなら俳句って何だ?
 私はこの句をずっと卑怯だと思っていた。やってはいけないこと、有史続く限り誰か一人がやったら他の誰もが使えなくなる禁じ手だと。
 ところが!この句は松尾芭蕉の句ではないと今日知ってしまった…。
 本当は、江戸後期の狂歌師、田原坊が「松嶋図説」(観光ガイド的な)用に詠んだキャッチコピー「松嶋やさて松嶋や松嶋や」が芭蕉作と伝わったというが、一体なぜこんな間違いが。
 芭蕉は松島に憧れていたが、訪れた松島で句を詠まなかった。それは感動のあまり句を詠めなかったという表現とも。
 そうですよね、松尾芭蕉さんともあろう方がこんな句を詠む筈がなかったですよね。天国の松尾芭蕉さん、長年の誤解をどうかお許しください。

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