紅葉の季節

 人を変えることは出来ない、とはよく聞かれる言葉。故意に指図して相手の反発を生み、反対方向へ動かすことは可能かもしれないが。
 そうではなく、意図しないところで、自分が人を変えてしまうということがあるのかなと考えるようになった。
 それは、夫に私の父と似た部分を感じる時だ。元々全く違うタイプだと思うし、これまでそういう事はなかったのだが、結婚して20年が過ぎた最近になって、ふとした瞬間に感じ、あれっとなる。
 こんな似たところがあったの? 父親に似た人を結婚相手に選ぶというようなことも聞いた事があるが、自分でも気づかないうちに選んでいたのかしら??
 …いやいやそうじゃない、と思うのだ。私の言動が父にも夫にも同じ態度をとらせるのではないかと。
 私の持つ嫌な癖に処する方法は似通うだろうし、私が喜ぶ事を知っている人なら同様にしてくれるだろう。その結果、身近であればあるほど私にとって似た人になっていく。
 反対も然り。本当は想像をはるかに超えて干渉し合って相手を変えているとしたら、夫婦はどうだろう。似たもの夫婦を目指すべきか、それとも正反対になって補い合える関係がいいのかな。