雑草かどうかを決めるのは

 小さいながら庭のある家に住むのは初めてで、数年たってようやく、伸びた枝がお隣へはみ出さない程度のケアが身についた。
 すると、足元に次々に茂る雑草が気になってきた。抜いても抜いても、ひと雨ごとに勢力を増すから、1週間もすれば青々する。
 雑草対策、と打ち込んで検索してみると、その一つの方法として”グランドカバー”と呼ばれる、地を覆うタイプの植物を植えるというものがあった。代表的なものは芝生である。他にも、クローバーやアイビー、ハーブなどが挙がっていた。よしこの方法でいこうと、庭を眺めれば、庭の奥の方から小さい黄色い花が畳半分くらいの面積に群生し始めていた。葉もクローバーのように可愛い。
 これ可愛いじゃない、これをグランドカバーに出来ないものかしら、そもそもこれって何なの、と調べてみたら…カタバミという代表的な雑草だった。凄い繁殖力だから、全力で根絶やしにせよ的な書かれようである。あちゃ~。
 で、ふと思った。そもそも雑草とそうでない草との分類はどうなのよ、と。人にとって役に立つか立たないか、要るか要らないか、だけの筈。
 雑草と言われれば排除せねばと思うけれど、それじゃ野草とはどう違うのか、野草というと排除脅迫が少し緩むのは私だけだろうか。
 う~ん、カタバミ、かわいいんだよね。
 誰かカタバミのことを「雑草じゃないよ」と言ってくれる人がいないかなぁ。
 期待を込めて検索を続け、幾つも見たページの中で、お一方、カタバミの全面排除反対派がいた。カタバミは、シジミチョウが卵を産んで育てる温床になっているから、根絶やしにするとシジミチョウが滅びるというのだ。で、この方は、ある一角だけ、鉢植えでもいいからカタバミを残したほうがいいと説く。広がりに留意、抑制しながらグランドカバーとして残すという。
 強い人だ。
 私は植物の繁殖管理に不安があるからそこまで思い切れない。カタバミを排除する方向へ心が動いているが、シジミチョウの為に何らかの事をしたいと思い始めた。
 ああ、お庭づくりにまでアイデンティティを問われるとは。