ネットの大樹に抱かれてる

 家の前の溝に、2年くらい前からモミジが生えてきていた。小さな苗木が愛らしく、しかしここで大きくなるわけにもいかないがなぁ…と思いながらそのままにしていた。

 モミジは少しずつ、すくすく育って、この春には細い枝みたいな幹が1メートルに達し、か細いながら枝をわんっと広げた。

 だめだっ、これ以上ここで大きくなったら、だめっ。

 根は溝の底のコンクリートの下にあって抜いて移植することができない。切るしかないが、せめて枝を挿し木にして生かせないか、と夫と相談した。

 それで今朝から私はネットに問うた。

”もみじ 挿し木”

 …ふむふむ、成功確率は50%といったところか。難しいがやるしかない。

 アレコレと園芸サイトを巡るうち、気になっていることをもう一つ思い出した。先月頂いた小さな多肉植物が、ひょろ~っと伸びて、不格好になっているのだ。これはどうしたものだろう、どんな世話を…。

 検索に”多肉植物”と打ち込んだところで、”伸びすぎ”という候補が出てきた!

 なんだよくある事例なのね、とほっとして対処法を調べた。

 原因は日照不足か水分過多か…ほう、伸びすぎた枝を切って増やせるのか、こっちはモミジと違って挿し木も簡単そう。細かくして寄せ植えふうにも出来るのかぁ…。

 そうこうするうち、夕方に近くなって、慌てて買い物に行ってきた。

 食材を冷蔵庫に収めて、思い立って、またネットで”こんにゃくレシピ””あずき缶お菓子””ガーリックチャーハン”と次々に検索してメモして台所に立った。

 常々思っていたが、なんと便利な時代になったのだろう。

 逆にひと昔前まで世の人々はどんなに苦労して情報を手に入れていたのか、あるいは入らなかったのか。

 朝からお世話になりっぱなしの一日だった。