アイスの当り引換えの、自主規制

 夫とのお盆休みは、録画したバラエティやドラマを見て、買い物に出かけて、昼寝して、ちょっとだけ家内の修繕、と寝正月みたいな6日間だった。

 弟のブログを覗き見れば、子どもをプールや遊園地へ連れて行き、宿題の工作を手伝い、海岸沿いへワンコの散歩に出掛けていて、頭が下がるというか。

 それでも私なりに心に留まることはあって。

① 夫が借りてきた映画を鑑賞した。
 そもそも私は自分から進んで映画を見ることがない。映画やドラマは心を揺さぶるように作ってあるから嫌いだ。出来れば避けて通りたい。しかし夫は必ず私に一緒に見させる。途中で私がスマホでも弄ろうものなら不機嫌になる。ま、この夫のおかげで私はこれまで沢山の名作に触れることが出来たのだ。

 さて今回は4本。夫が劇場やネットの予告で目を付けていた『トゥームレイダー・ファーストミッション』『イップマン3』『バース・オブ・ザ・ドラゴン』『ザ・ウォール』。またまたM2層度注入。
 『バースオブザドラゴン』よかった~。重さと軽さが私に程よい。

② アイスの当り棒と泣く泣くサヨナラした。
 休み中は毎日夫とアイスを食べた。出かけた帰りにコンビニで「今日はこれ」と選んで買って帰ってお八つに頂いていた。さて最終日に私が久々の『ガリガリ君』を食べていると、棒に何か書いてある…、おおッ当たりだ、当たり付きだったのね! 子どもの頃からとことんクジ運のない私は喜んだ。が次の瞬間。

「これ…いい歳のオバサンがコンビニのレジで「当たりました」って言いにくいね…」
「…そうやな…小学生まで、かな…」
 顔を見合わせるアラフィフ夫婦。
「あ~あ姪っ子が近くにいたらあげるのに」「ささやかなプレゼントやなぁ(笑」

③ 初老だってチャーミング。
 お盆のホームセンターは混んでいた。並んだレジの進みがどうも悪い。前の数人の背中越しに見ると、まだ新人さんかしら、60代と思しき女性店員さんの動きが遅め。うヌヌ。その風貌にも目を引くものが。肩より長いウェーブの髪にカチューシャ、頬にはオレンジとピンクの間位のしっかり目のチーク。

 さて我が家の番に。店員さんはカゴの中身を、商品のバーコードをスキャンしながら別のカゴへ移していく。夫が欲しがった、蓋のない小物入れBOXをまずピッ。次に猫缶をピッ。もう一つ同じ猫缶をピッ。……ごそ、ごそ。

「あら無理だわ、入らないわ、ごめんなさいね」ゴニョゴニョ

 何をしようとしていたのかとカゴを覗き込むと、このレディ、先に移した小物入れの中に、猫缶を収めようとしていたのだ。なるほど確かに2個ちょうど収まりそうなサイズだがギリアウト。

 いやいやそもそも、なんで小物入れに猫缶をジャストインさせようと?? その必要は全くないのに、ふと思いついちゃったのか。だとしたらその発想力、可愛すぎるっっ

 レジを離れた途端、夫に言った。

「今の人、不慣れそうだからシンドイだろうに、嫌々仕事をしてないね、きっと」

 思い出す度、可笑しくて可愛らしくて。暫く笑えるな。