半歩先の50年

 週末に映画を見た。夫が小学5年から愛するスターウォーズの『ハン・ソロ』。

 近頃は事前にネットで席を予約して劇場へ行く。決済画面を見ながら夫が言った。

「夫婦50割ってどちらか1人が50歳以上だったら2人とも安くなるの? いいなぁ」

「あっ!アナタあと3日で50歳だよ。観るの3日待つ? 待たないよね~」

 以前よく話した。同級生夫婦は恩恵少ないね、ほぼ同時に50歳になるから。それに、50歳なんて当分先のハナシだね……なんて、はるか銀河の彼方の事だとうっちゃっていたのに辿り着いてる!

 翌日、私は義父のお香典返しを引取りに、繁華街へ出ていた。

 併せて夫へのプレゼントを探してお店を幾つか覗く。ふいに久々に聞く、あまりに懐かしい曲が流れてきた。ジャネット・ジャクソンの『nasty』、大学生以来だから、え~と25年以上前? 感慨にふけっていると夫から電話がかかった。

 職場の機材の操作法を教えて貰った後輩にお礼がしたいから、という。

「〇〇君もスターウォーズ好きだから、『ハン・ソロ』のチケット1枚だけでいいから買って。あそこなら安い筈、ほらあのチケット屋、高架下のお店、まだあるかなぁ」

「わ、どうかな、暫く行ってないから」

 とにかく大人1枚ねと引受けて行ってみれば店は健在。が、チケットが思ってたのと違う。テレホンカードみたいなサイズなのだ。腑に落ちず他の店も覗いたがやはり。これがそうなのだと買い求めた。

 帰宅した夫も「へぇ~知らんかった、これがムビチケってやつか」。

 滔々と流れる時間、同じ時代を一緒に歩いてるねぇ。

 私よりひと足先に節目を迎えるアナタへ。プレゼントは見つけられないまま、かわりにこんな言葉を。常に仕事の労を惜しまないアナタの善意が曲解されがちだから…

『あなたの心が正しいと思うことをしなさい。どっちにしたって批判されるのだから』(エレノア・ルーズベルト、米国のファーストレディ・人権活動家 / 1884~1962)

『一人前になるには50年はかかるんだ。功を焦るな。悲観するな。もっと根を深く張るんだ。根を深く張れ』(升田幸三将棋棋士 / 1918~1991)

 私はアナタに永遠に追いつかないんだねぇ @^^@