謝れ、人の本質は善だ!

 滅多に混まないコミュニティバスに、ジャージ姿の一団が乗ってきた。中学生ぐらい、クラブ活動の遠征だろうか。十数人ほどがどんどんと乗り込んで、通路に立ち並んだ。正直、ちょっと憂鬱になった。この子たちはおそらく終点の駅前までいる。私は途中で降りる。席から立ち上がって、狭い通路を「すみません、降ります」と言いながら、子達のリュックにつっかえつっかえ降り口まで進むのだなぁ、と。
 さて。降車ボタンを押した途端、真横に立っていた男の子はさっと後ろへよけてくれた。小さくありがとうと会釈して通路を進みかけると、今度は立ち並ぶ3~4人がやはり体を寄せて通路を広く空けてくれるのだ。ありがとう。つっかえたのは最後に立っていた引率の先生だけ(笑。
 降りた私は驚きと反省でバスを見送った。「すみません」じゃなく「ありがとう」と言わせてくれて、ありがとう!

f:id:wabisuketubaki:20171202174141p:plain