黒は本当はこの世に存在しない

 おととい。ブラックフライデーとTVで何度も告げられ、ん?ブラックマンデーじゃなかったっけ??買い物に行くと店頭のポップにもこのロゴが踊っていて、知らないのは私だけかと慌てて調べた。”米国で毎年11月第4木曜日に催される感謝祭Thanksgiving Dayの翌日、第4金曜日を指す。このブラックフライデー以後本格的なクリスマスシーズンへ突入し、年末商戦が始まる。小売店が「黒字」になることから。” …ふうん、ハロウィンの次はこれ?いろいろ導入されるなぁ。
 ”世界恐慌を引き起こしたブラックマンデー(暗黒の月曜日)の「暗澹とした、光の見えない」とは大きく意味を異にする。” …なるほど真逆だ。
 「黒」は色の名だけれど、純粋な「黒」はこの世に存在しないという。いや確かめられない、というべきかも。まったく光のない状態が完全な「黒」であるとされているが、この状態ではなにも感じられない。「墨のように黒い」というような表現をするが、実際には、わずかの光を反射するものを「黒」といっている。
 かそけき光、暗闇は微妙な揺らぎでニュアンスを生む。大人には衣服などで好まれるが、子どもには敬遠されがち。
 白黒はっきりさせたい、と何かにつけ思う私はやはり、視野が狭いというか精神年齢が低かったのだろう。その意味で、この度、私は少し大人になれるかもしれない。
 父が亡くなって2か月が過ぎて、伯母(父の姉)が語ってくれた父の生い立ちだとか性格だとかは、私の知っている事と大きく小さくズレがある。正しくしたい、私の中の父を正確に修正したいと、土台に手をかけ、途中まで建て直したが、止めてしまった。無理だもの、確かめようがないんだもの。もう分からないままにしておこうと、初めて思った。真相は闇の中なんていうけれど、真実は在る。私には確かめられないだけで、確かに在る。だから、大丈夫。父は父。

f:id:wabisuketubaki:20171126175625p:plain