春の経験回数

 そうか、私は春を48回経験したのか。

 そんなふうに捉えたことがなかったけれど、48歳ということは、春を48回過ごしたということで、そんなものか……なんだか少ないように思う。

 幸田文『闘』に、70歳の農夫を語ったこんな一説があった。

 「ひたすら農耕一筋に七十回の春秋を送り…」

 まもなく48回目の梅雨を迎え、明ければ、48回目の夏が来る。


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