あなたを笑ませたくて

ポインセチアやクリスマスソングが街を彩り始めた。さて。どうしよう。 私たちは昭和な夫婦だからイベントに特に何もしない。ちょっとしたものを贈り合うくらい。なのだが。この”ちょっとしたもの”に年に2回、夫の誕生日とクリスマスとに私は打ちのめされる。…

年は”取る”より”重ねる”で

年々寒がりになると感じる。去年の冬を過ごした部屋着が今年は既に11月にしてうすら寒い。 昔は朝出掛ける前に済ませたら夜帰るまで行かなかったのになぁ、と夫と話す。トイレのことである。私は特にトイレが遠く、高校時代は3年間に学校のトイレを使ったの…

地球は青かった

きび団子を差し出されても岡山県人は受け取りませんよ、家来になれってことですから…と某芸人さんがTVで話すのを聞いて、まさかと笑ったが、次の瞬間いや待てよとなった。夫に話すと「まさか」と笑った。「ネタに決まってるやん」「私だってそう思ったけど、…

忘れないで待ってるよ

匂い、嗅覚の記憶が五感の中で最も強いと聞いた事があるが、触れあいや温もりの記憶も負けていないんじゃないかな。触覚ということではなく、通わせた心の記憶。 生後1か月半ほどの子猫と過ごしたのはちょうど1年前だったなと、近頃懐かしんでいる。わずか2…

キャッチボール

昨日の件。帰宅した夫に開口一番謝ると「なんだそんなこと。それよりもさ…」と会社での出来事を語りだした。専業主婦たる自分の世界の狭さを実感。いえそれが有り難い。一日私を押し潰していた事なんか塵のように吹っ飛ぶ。夕食後に一緒に食べた苺大福の美味…

さざ波ではあるけれど

今日はちょっと、いやけっこう落ち込んで過ごした。 前日に私が時計をいじったせいで、夫がいつもの出勤電車に乗れなかった。ずっと6分進んでいた時計が、4分進みになっていたのに気が付かず。あああ、怒っているかな。いつものように帰るコール(ライン)をく…

あした天気になあれ

今日は雨降り。桜の赤い落ち葉が濡れそぼってアスファルトに貼りついている。昨日までは踏むとぱりりとポテトチップスを噛んだような音が楽しかったのに。 夏が済んだ途端、来年の手帳が店頭に並び、年賀状やお節の予約承りの文字がそこここに。今年もあと47…

刻まれた遺産

猫だけでなく我が家にはウサギとインコとカメがいる。ウサギやインコに接していて時々苦笑いしてしまう。例えば、うさぎを部屋へ放して遊ばせる時に「うりゃうりゃうりゃ…」などと言いながら追いかけっこしたり、インコを手の中に包んで撫でている途中にイン…

父に最後のイタズラ

友人から早々に喪中はがきが届いた。私もいよいよ急がなくてはと焦った。毎年の年賀状は私が我が家の動物たちをイラストに描いてスキャンで取り込んで作るが、ああ今年は作らなくていいんだ…そう思うと、寂しいようなほっとするような。さてと、集めておいた…

待っててくれる

明るくなるのがめっきり遅くなった上に、今朝は雨降りで尚更暗かった。薄闇の中を黒い傘、黒い上着の夫が歩いていく。振り返って手を振って角を曲がっていった。私は振り返した手を下ろしながら、ふいに考えてしまった、なぜ姿が見えなくなるまで見届けるの…

月、満ちて

午前6時過ぎ、出勤支度を整えた夫が「今朝は寒いなあ」と身をすくめた。まだ暗さの残る空には雲一つない。「放射冷却が起こったんだね、よく晴れてる」 地表の熱が上空へどんどんと拡散していったのだ。宇宙なのだなぁと、つくづく見上げる。青からピンクへ…

あの頃眠れなかった父は

明日は父の四十九日法要。過ぎた40余日が長かったのか短かったのか全く分からない。私は泣かないまま、毎日に何ら変化も見えず、元々ナマケモノではあるが、益々ぼんやりしている時間が多くなったかな。これって心の深い所では悲しくてウツ傾向なんじゃ…と思…

物だって元気に長生き

形あるものはいつか壊れる、という言葉は、儚さを説いたものだと思うが。 ものって長持ちするのだなぁとつくづく感じる。 スプーンとフォークが1組、ティスプーン2本、シュガースプーン1本、ガラス角皿3枚、楕円皿1枚、耐熱ガラスのティカップ1個。これらは…

ケチ、治したいなぁ

最近になって発見した事がある。ケチには3つのタイプがあるんじゃないかと。 物やお金を①出すのを渋る、入ってくるものにはあんまり執着しない②入ってくるものに意欲的、使うことも楽しむ③使うのにも収入にも執着する。 ケチとひと口に言ってもタイプが違う…

宙ぶらりん

駅から帰りに乗ったバス。向いの席から2人のご婦人の会話が聞こえた。「猫の餌買いに来たの、1人4個迄やけど安くなってて。最近1匹減って3匹になったわ」「うちも減ったわ。こないだの台風以来顔見せんようになって」「凄い風やったけど、どないしてたんやろ…

昭和なワタクシ

台所で派手なくしゃみを立て続けに2つしたあと、笑い出した私。 夫が隣の茶の間から「どうした?」。「今ね、コショウを瓶に詰め替えてたの」「コショウでくしゃみって、昭和やなぁ~今時漫画でもそんなんないよ」 そんなこと言ったって出るものは出る。コシ…

桜往生

夜通し家を揺さぶった台風は、朝日輝く青空とチグハグな痕跡を至る所に残していた。 道路の端に積もった落ち葉や枝、ひっくり返った原付や自転車、倒れた看板、垂れ下がった電線や幕。どこからかサイレンの音が響いては消える。 近所の桜並木も甚大な被害を…

ダメもとで背伸び、してみようか

憧れだ。花や木の名前を知っているひと。お料理の上手さ。丁寧に洗濯をするひと。ほのかな好い匂いをさせること。アイロンがけが得意なひと。動物に好かれること。それから、…ああキリがない幾らでもある。どれも少し頑張れば手が届きそうに見えるけれど、頑…

紅葉の季節

人を変えることは出来ない、とはよく聞かれる言葉。故意に指図して相手の反発を生み、反対方向へ動かすことは可能かもしれないが。 そうではなく、意図しないところで、自分が人を変えてしまうということがあるのかなと考えるようになった。 それは、夫に私…

寂しさには平気でなく強弱があるだけ

届いてから中二日をおいてようやく手紙を読んだ。 休みで家にいた夫の傍で、なんとなく寝そべってしまったのは自分自身へさりげなさを装いたかったからだろう。だって近頃は手術した足先を持て余すから腹這いになることがなくなっていたから。 封筒から抜き…

父をテーブルの上に投げ出したまま

父が亡くなって24日。まだ24日と言える日数なのに、もっとはるか昔のことのような、初めから何もなかったような。それほどに変わりない毎日を送っている。まだ彼岸への途中の父がさぞびっくりしているだろう、”お前は泣きもしないんだな”と。 父子家庭の、お…

本当はおばちゃんも人見知りなんだよ

子どもの不器用さ、とでもいおうか。 ずっしりと重い買い物袋を肩にバスを降りて、自宅へと歩き始めると、後ろから私の脇を小学1,2年生くらいの男の子が駆けてゆく。その背中は順当に遠ざかる筈だったのに、私を追い越したところで、何かにハッとしたよう…

同じ日はなく・・

今朝は蒸し暑くなかったですか? 祝日の朝6時、世界はまだ空気をかき回す活動が行われていなかったからでしょう、新聞取りに玄関扉を開けたら、濃厚な金木犀の香りに圧倒されました。なんかこう、暖かく湿った香気が重く沈殿してたようでした。 金木犀の香…

雑草かどうかを決めるのは

小さいながら庭のある家に住むのは初めてで、数年たってようやく、伸びた枝がお隣へはみ出さない程度のケアが身についた。 すると、足元に次々に茂る雑草が気になってきた。抜いても抜いても、ひと雨ごとに勢力を増すから、1週間もすれば青々する。 雑草対策…

やはり、メビウスの輪かな

父の四十九日のことで弟から連絡があった。着々と進めてくれている。 感謝。 弟の言葉ではっとした。告別式での事だ。 家族以外に参列下さった方がいたので、弟が喪主挨拶を述べた。父が早くに伴侶に先立たれ、1人で子を育てたこと、自分も子を持ち、父の困…

ミッションコンプリート

亡くなって明日で2週間になるのか。 通夜の読経が流れる中で、遺影の父の表情が晴れやかになっていくのを感じた。『やっと帰れますねん』 そう言っているように見えた。 私は輪廻転生を信じている。人は幾度も、気が遠くなるほども生きて、様々なシチュエー…

本当に家族だけのお葬式

葬儀に来てくれる人がいないのはやはり寂しいことだろうか。 85歳の死。父には元々親戚が少なかった上に、結婚して数年で妻に先立たれ、妻側の親族とは疎遠になっていた。就職時に故郷を離れて久しく、生活に追われ、友人との交流も絶えていた。随分前に仕事…

弟を通して見える父

亡くなった朝からちょうど一週間。これまでは、まだ4日、まだ5日、まだ…と感じていたが、7日経った今日は、もう一週間になるのかという感じがする。書き始めたはいいが、どこから取りついたらいいか途方に暮れる。それでもPCに向かい、さて。 父が亡くなった…

変わらない

父が亡くなってまだ5日だというのに私の日常は以前と変わりなく流れている。これは表面的なもので、深層で起こった変化に例えばひと月くらい経って気付いたりするのだろうか。 あの朝、施設へ駆けつけ、職員さんに連れられて、父の部屋の前まで来た。コンパ…

4日前に父が亡くなった。

4日前に父が亡くなった。 ブログなんか書いている場合かと思う自分を抱えながら、何となくぼんやりとこれまで通りの習慣で葬儀の間留守にしたこのページを開いている。 今この時、こんな時に、何が書けるのだろうと思う自分がいる。自分の中から何が出てくる…